構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。
節点同一化、シアリンク型制振装置、ST-Bridgeインポート、ご意見・ご要望への対応、ほか
2024年10月29日
主な機能
節点同一化
節点(通り心同士の交点)を、直上の層または直下の層の節点と同一化(鉛直方向)することができるようになりました。 これにより、自走式駐車場スロープや層をまたぐ傾斜ばりなどを形状通りに入力することができます。
自走式立体駐車場の入力例
山形トラスの入力例
シアリンク型鋼材ダンパー(制振部材)
シアリンク型※鋼材ダンパーの制振装置の入力を追加しました。
+NBUS7で入力した建物をSNAPに転送して時刻歴応答解析を行う際、データの欠落や再入力の必要がなくなるため、作業の効率化が図れます。
※シアリンク型で制振装置を左右に配置する機能はSNAP転送を用いたオイルダンパーなどの配置を想定しています。+NBUS7が対応する制振装置の種別は履歴型ダンパーのみとなりますので支持部の構造モデル生成や重量計算にのみ使用します。
【対象となる製品】
センクシア株式会社 イクステンダム
間柱型、シアリンク型(K形、V形)
配置の例
シアリンク型(V形)
シアリンク型(K形)
シアリンク型(V形)
シアリンク型(K形)
ST-Bridge形式ファイルの読込み(インポート)
従来はST-Bridge形式ファイルのエクスポート(書き出し)のみ対応していましたが、BIMソフトから書き出されたST-Bridge形式ファイルをインポート(読み込み)して構造モデラーの建物データに変換することもできるようになりました。
多くのBIMソフトと建物データのやり取りができるようになり、構造モデラーシリーズの建物データが設計、企画の分野と繋がります。
構造モデラーシリーズのデータ連携
読込み機能には以下の2つがあります。
入力
コマンド検索
「次に入力したい」 「次に実行したい」作業に関する単語や語句を入力することにより、該当・類似するコマンドをリストアップし、直接コマンドにアクセスできるテキストフィールドを追加しました。
コマンドの可視化、常置
「通り心の挿入」のように、作業ウィンドウ上の通り心名を右クリックして表示されるポップアップメニューからしか操作できなかったコマンドや、他のアプリケーション用ファイルの読み書きなどを実行するメニューのように[構造モデラー]ボタンからしか開けなかったメニューを、リボンメニューに常置し、より見つけやすくなりました。
部材の配置コマンドの動作統一
はり、柱、ベースプレート、ブレース、基礎など、配置メニューを実行した際、ダイアログを表示せずにカーソル先に表示される形状名称を伏図・フレーム図上に配置していたコマンドに対して、壁や床スラブのように配置する形状名称などを選択する配置ダイアログを起動するようになりました。
すべての配置ダイアログには「配置」 「削除」 「参照」の各モードのボタンを設け、配置コマンドを実行しながら、部材の削除も可能です。
削除時には架構内に配置されているすべての当該データを削除する「全削除」も追加しています。
特殊荷重のリスト入力・配置
リストにあらかじめ特殊荷重を登録し、登録した荷重を配置することができるようになりました。
リストによる入力を採用したことにより、架構モデル内に入力されている荷重を一覧で確認したり、一括削除や編集などもできるようになりました。
また、伏図・フレーム図上に配置された荷重をリストに一覧表示し、どこに何の荷重が配置されているのかを確認できるようになりました。
このリスト上では、新たに荷重を配置したり、配置されている荷重を変更することもできます。
あらかじめEXCEL等で作成したデータを貼り付けることもできます。
特殊壁荷重
土圧、風圧力など、耐力壁に直接作用する荷重として「特殊壁荷重」を追加しました。
壁面に配置した特殊壁荷重は無開口として扱い、床荷重の両方向伝達と同じように荷重伝達線を考慮して周囲の柱やはりに分配します。
柱に分配された荷重は特殊柱荷重と同じように扱い、はりに分配された荷重は水平方向の剛性を考慮せず、せん断力分を節点に直接作用させます。
入力で指定 した荷重ケース |
構造計算での取り扱い方 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鉛直荷重時応力 | 積雪荷重時応力 | 地震時応力 | 風荷重時応力 | 地震力計算用重量 | 重心位置計算 | |||
① | ② | |||||||
鉛直荷重時 | 固定荷重(DL) | |||||||
積雪荷重時 | ||||||||
地震荷重時 | ※1 | |||||||
風荷重時 |
:荷重ケース別に入力された特殊柱荷重が考慮される計算 | |
※1 | :重心位置の計算方法において「層せん断力作用点」を指定した場合には、偏心率計算用重心に考慮されます。 |
① | :鉛直荷重時応力(固定荷重+ラーメン用積載荷重) |
② | :鉛直荷重時応力(固定荷重+地震用積載荷重) |
鉄筋、鉄骨の材料の規定値の入力項目の追加
近年増加している外来材料の使用に伴い、JIS規格をはじめとする既存材料以外の材料を用いる際、その材料固有の規定値を用いた計算が行えるよう諸元の項目を追加しました。
【鉄筋】
【鉄骨】
柱、はり接合部のSCSS準拠時のボルト径の部材ごとの指定
S/SRC柱、はり接合部の継手をSCSS準拠とする際、部材ごとに使用するボルト径を選択できるようになりました。
近年、建築物の90%以上に使用されていると言われるトルシア形高力ボルト「S10T」を追加しました。
二重スラブの積載荷重と仕上の追加
二重スラブの下スラブに対して、積載荷重、仕上、打ち増しが入力できるようになりました。
プロパティ配置が必要だった計算条件の共通条件の追加
部材および構造プロパティ配置で部材ごとに指定する必要があった以下の計算条件について、架構内に配置されているすべての部材に対して、一括で変更・適用できるよう共通条件を追加しました。
計算
剛性計算に考慮する打ち増しの最小寸法の指定の追加
打ち増し寸法が【標準施工条件】コマンドの「打ち増し最小寸法」で入力されている値(デフォルト70mm)以上の場合のみ、剛性計算時に打ち増しを考慮する指定(デフォルト自動)を設けました。
鉄筋を通さない薄い打ち増しなどは剛性計算時には無視することができます。
壁付き部材の断面二次モーメントの計算方法の追加
そで壁、垂れ壁、腰壁など一般壁が取り付く部材の断面2次モーメントの計算方法に、壁を含めた断面全体の中立軸に対して求める「実断面(図心)」を追加しました。
スラブ付きはりと見なすスラブの長さの指定の追加
これまで床スラブに部分的に吹き抜けがある場合は、平均支配長さで計算していましたが、はり全長に対してスラブが接続する長さの割合が一定の割合以上の場合にスラブ付きはりと見なして計算するようになりました。
多層にまたがる柱の重量の振り分け方の追加
多層にまたがる柱の場合に中間層に生じる節点重量を、中間層にあるものとするか、上下層に分配するかの指定を設けました。
小ばりの割り付けの入力方法の追加
RC小ばりは通り心で等間隔の割り付け、S小ばりはデッキ間隔を想定した柱心間やはり心間での割り付けなど、構造種別ごとに入力方法が設定できるようになりました。
横補剛間隔の取り方の追加
横つなぎ材を配置する際の基準となるはり端部から1本目の横補剛材までの距離の取り方の指定を設けました。
加力方向別の剛床解除
構造モデルの特定の節点を剛床の対象から外します。その際、水平荷重時に対してはX方向加力とY方向加力で異なる指定ができるようになりました。
許容応力度計算時における弾塑性解析の荷重分割数の追加
許容応力度計算における部材のひび割れ強度・終局強度を考慮した弾塑性解析では、標準層せん断力係数Co=0.2 相当の地震時荷重時を分割して増分解析を行いますが、建物規模や外力に応じて設計者自身で分割数を指定できるようになりました。
剛性率計算用階高の直接入力の追加
剛性率計算時の階高は、意匠階高+上層の標準スラブ上端レベル-下層の標準スラブ上端レベルとし、節点の移動量は考慮されません。そのため、山形フレームなど節点移動が行われている場合など、設計者自身で階高を直接入力できるようにしました。
鉛直部材の重心・剛心計算に考慮する/しないの選択肢の追加
鉛直部材に対して、重心計算、剛心計算に考慮する/しないを指定することができるようになりました。
節点同一化により階をまたぐはりや水平ブレースなどが生じた場合に、当該部材に対して重心計算、剛心計算に考慮する/しないを指定することもできます。
基礎柱の断面計算の追加
基礎柱の断面計算が行えるようになりました。
断面計算位置は基礎ばり面とし、RC造柱と同様に曲げモーメントと軸力に対する検討、せん断力に対する検討、付着に対する検討、定着に対する検討、必要鉄筋量の算定計算を行います。
計算ルート1、2時における付着検討時の大地震動に対する安全性確保ための検討
以下の黄色本の記述に基づく、計算ルート1、2時における大地震動に対する安全性確保のための検討が行えるようになりました。
2020年建築物の構造関係技術基準解説書
付録1-3.1鉄筋コンクリート造部材の力学モデルに関する技術資料
c) 付着
RC規準(2018)16条「付着および継手」 1項「付着」 (3) 1)、 2) (長期荷重に対する使用性確保および短期荷重に対する損傷制御のための検討)を満足することで、引張鉄筋(スパン途中で定着される引張鉄筋(カットオフ筋)も含む)の付着に関する許容応力度計算を満足するものとできる。
なお、同項 (3) 3) に示される大地震時に対する安全性確保のための検討を短期の付着に関する検討に替えることはできない点に留意する必要がある。
また、付着長さの定義については、同項(2) に準拠する必要がある。具体的には、カットオフ筋の場合は、主筋端部の標準フックの有無によって付着長さを決定し、通し配筋の場合は、当該はり部材の内法長さが付着長さとなる。
柱軸力に対する直交方向壁板応力の取り扱いの追加
立体解析により、ラーメン方向の加力時も直交する耐震壁が軸剛性分の軸力を負担しますが、壁の断面算定はせん断力に対してのみ検討しているため、直交壁が負担した応力を付帯する柱に分配し、分配された軸力を柱の軸力に加算した応力状態で、柱の断面計算の追加検討を行っています。 この付帯柱の軸力計算について、建物形状や部材の取り付きなど設計者の判断で柱軸力への加算を指定できるようになりました。
断面計算位置の選択肢の追加
部材面での検討に加え、打ち増しがある場合は打ち増しの端部位置である部材フェース位置を断面計算位置として指定できるようになりました。
また、部材にそで壁、腰壁、垂れ壁が接続している場合はその壁端位置であるうちのり端を指定することもできます。
はり崩壊を考慮した柱の部材種別の計算方法の追加
個材としての部材種別でFD部材がある場合でも、崩壊した部材の部材種別を優先し、部材群の部材種別とするため、RCはりの付着割裂破壊がNGであっても、柱が崩壊ヒンジの場合、部材群は柱の部材種別が採用されるなど、設計者の意図と異なる部材種別になる場合があるため、はり崩壊を考慮した柱の部材種別の計算方法の選択肢を設けました。
出力
「入力データ書」と「構造計算書」の重複項目の省略
プロジェクト概要や部材形状リストなど、入力データ書と構造計算書の両方に出力されている項目がある場合に、両方に出力、またはどちらか一方のみに出力することができるようになりました。
メッセージ一覧からの計算結果図へのジャンプ
メッセージをダブルクリックすると、構造モデラー上のダイアログやプロパティのほか、計算結果ビューア―「NOUT」の計算結果図にもジャンプできるようになりました。
部材の断面算定結果図の追加
断面計算において必要鉄筋量を求める算定計算を実行した場合は、算定計算終了後、算定結果で求められた配筋に対して検定計算を行い、算定結果表(必要鉄筋量一覧)と検定計算結果帳票を出力し、検定比図には検定比を出力していましたが、計算結果ビューワー「NOUT」から表示できる検定比図ウインドウのフレーム上に各部材の必要鉄筋量を表示する機能を追加しました。
※二次部材の算定計算も同様です。
計算種別ごとの出力形式の個別指定の追加
出力条件に計算項目ごとのタブを新設し、計算項目ごとに個別出力やグループ出力などの出力形式が指定できるようになりました。
また、計算実行ダイアログから出力関連の指定を分離したため、計算終了後に出力形式や出力対象とする部材の指定を変更し、出力する部材数を絞ることができるようになりました。
保有計算でのNG部材のみ出力
従来から断面計算においては、NG判定となった部材のみを出力する機能がありましたが、保有計算における計算に対してもNG判定となった部材のみを出力できるようになりました。
[対象となる計算結果]
ヒンジ、ピン接合、支点マークのサイズ設定
ヒンジ、ピン接合、支点のマークのサイズの拡大・縮小機能に対応しました。
マークのサイズは以下の描画属性設定のフォントサイズに応じて増減します。
ヒンジ | 曲げヒンジ、せん断ヒンジ、圧縮ヒンジ・圧壊、引張ヒンジ・浮上り想定曲げヒンジ、想定せん断ヒンジ、想定圧縮ヒンジ、想定引張ヒンジ |
ピン接合 | 接合 |
支点 | 支点 |
その他
木造荷重データの読み込み
上階を木造とする立面混構造を対象として、以下の製品で入力および計算された建物の建物重量、地震・風荷重時の応力解析結果による支点反力を特殊荷重として取り込みます。
高周波熱錬株式会社「ウルボンSBPD1275 / 1420」の新評定に対応
高周波熱錬株式会社の高強度せん断補強筋「SBPD1275/1420」評価更新に伴い、主に以下の内容が変更しました。
詳細につきましてはつぎの設計指針をご参照ください。
製品名 | 技術評価 |
---|---|
ウルボン1275 | BCJ評定-RC0220-07 |
北越メタル「UHYフープ」の設計施工指針改定に対応
北越メタル株式会社・株式会社コーテックスの高強度せん断補強筋「UHYフープ685」のGBRC評価更新に伴い、主に以下の内容が変更しました。
詳細につきましてはつぎの設計指針をご参照ください。
製品名 | 技術評価 |
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UHYフープ685 | GBRC性能評価照明第14-28号改1 |
センクシア株式会社「イクステンダム」に対応
センクシア株式会社の制震ダンパ「イクステンダム」に対応しました。
「イクステンダム」の詳細につきましては下記お問い合わせ先へご連絡ください。