構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。

S造建物の耐震診断・耐震補強計算 「DOC-S」

煩雑な鉄骨造の耐震診断業務を広範囲にサポート


「2011年改訂版 耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断
および耐震改修指針」に準拠
「2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」に対応

※ 指定するにはDOC-3次診断 Ver.5 が必要となります。


DOC-Sは、鉄骨造建築物の耐震診断から補強設計までをサポートする耐震診断、耐震補強計算ソフトウェアです。
S造の部材接合部による保有耐力接合の判定・溶接欠陥、接合部を考慮した保有水平耐力計算を行います。また、RC/SRC部材の入力も可能で、建物形状通りに建物重量の計算、応力計算、偏心率・剛性率の計算を行います。さらに、詳細出力機能により、計算式・計算過程の確認をサポートします。

本製品には上記に加え長期軸力、地震時変動軸力、剛重比などの自動計算機能も備えています。
DOC-RC/SRC※1」や「DOC-3次診断※2」と連携させることで、さらに効率良くお使いいただけます。

  • RC/SRC造建物の1次・2次耐震診断・耐震補強計算ソフトウェア。
  • RC/SRC造建物の3次耐震診断およびRC/SRC/S造建物の総合耐震診断・耐震補強計算ソフトウェア。
DOC-S メインイメージ



適用範囲と入力

建物形状

S造、S造との混構造、特殊な形状に対応できます。
スパン数(X、Y方向共90)、15階、30,000節点までのS造建物で、RC/SRC造建物とこれらが層ごとに混在する建物を扱います。
高さが45mを超える建物も計算できますが、計算結果は準拠基準の適用範囲外(参考値)となります。

特殊な形状

特殊な形状

ビルタイプ

ビルタイプ

互いに直交するX、Y方向フレームで構成される建物のほか、平面傾斜フレーム、中折れフレームなどのある建物も扱います。

体育館

体育館

入力

マウスによる直接的な操作で、スピーディーにデータが作成できます。

対話入力画面

対話入力画面

対話入力とテキスト入力

データ入力は、対話入力形式によるマウス操作、ダイアログ入力を中心とした視覚的に分かりやすい入力方法と、テキスト形式によるデータ読込をサポートしています。
また、保存データ形式はDOCシリーズで共通なので、他のDOCシリーズ製品での検討に利用可能です。

入力画面

建物形状や部材の配置は、複線の図面表示の伏図またはフレーム図で行うので入力、変更箇所を確認しながら効率的に作業できます。また、複雑な床組や壁開口配置、枠付き増設ブレースなども形状通り表示可能です。

マウス入力

図面上でデータ配置を行う場合に、配置対象データだけを表示・編集するなど、データ作成に便利な細かな設定ができます。また、部材を連続的に配置・削除できるため、効率的な入力が行えます。


材料・部材形状

扱える部材が豊富で、様々な形状に柔軟に対応できます。

使用材料

コンクリート強度や鋼材種別は層、方向、部材の部位別に指定できるため、増築による同一階での材種の違いにも対応できます。

組立材

組立はりでは上弦材と下弦材、十字断面の組立柱ではX方向弦材とY方向弦材で断面サイズをそれぞれ指定できます。

部材断面形状

はり、柱、ブレース形状

H形鋼、みぞ形鋼、箱形、角形鋼管、鋼管、C形鋼、丸鋼、平鋼、山形鋼を扱います。一般的に利用されている充腹タイプの形鋼(軽量形鋼含む)や非充腹タイプも入力できます。

ブレース/増設ブレース

V形、K形ブレースは補剛材付も指定できます。
「k-DB(構造システムデータベース)」に登録されたメーカー製ブレースを使用できます。

ブレース/増設ブレース

補強部材

はり、柱の補強タイプはH形鋼のみ利用可能です。

補強部材

接合部

ブラケット形式はピン接合としてモデル化されます。

接合部

基礎

基礎

k-DB(構造システムデータベース)

各種鋼材・露出柱脚工法・免震装置・制振装置・木造(構造用集成材、構造用製材、接合金物)などのメーカー製品は、各プログラムで共通して使える「k-DB(構造システムデータベース)」に登録されていますので、k-DBを参照すると効率的に入力できます。


準備計算・応力計算

荷重・応力を自動計算。鉛直荷重を負担しない間柱の指定も可能

準備計算

建物形状、部材寸法や配置、積載荷重、仕上げ重量、設備荷重、土圧・水圧などを考慮して荷重を自動集計します。
また、地震力や層せん断力分布(Ai)、はり・柱のCMQ、片持ばり応力などを自動計算します。


壁のモデル化

壁は、開口の大きさに応じて耐震壁またはフレームの剛域・剛性増大率としてモデル化します。 開口の判定は、耐震診断基準、平成19年告示改正前、改正後の3通りから選択できます。


部材中間節点

K形ブレースの場合

K形ブレースの場合

露出柱脚付きS造柱、根巻き柱脚付きS造柱やK形・V形・マンサード形ブレース・方杖が接合しているS造はりに対して部材中間節点を設けることで余計な入力の作業を軽減し、正確な応力を得ることができます。 図の●が部材中間節点です。

応力計算

鉛直荷重を負担しないS造間柱

指定により、剛床解除(独立水平変位)やはりの水平方向剛性、ねじり剛性を考慮できます。

S造間柱の考慮
S造柱を鉛直荷重を負担しない間柱として計算できます。

応力図

応力図



保有水平耐力計算

マルチスレッド対応により、計算処理速度が向上

偏心率、剛性率によってきまる係数Fesの算定

建物の剛性バランスに応じて偏心率と剛性率の計算を行い、Fesを自動計算します。 偏心率、剛性率では、フレーム面内外の重量や雑壁の影響も考慮できます。


部材耐力と保有耐力接合

母材・継ぎ手部・端部の接合部耐力を考慮し最小値を用います。
接合部の保有耐力接合の計算も行います。また、接合部の溶接欠陥なども考慮できます。

危険断面位置でのMuの修正
危険断面位置でのMuの修正

S造柱はり接合部(パネルゾーン)

剛性、耐力を考慮することができます。
ノンダイアフラムの場合、指定により、鋼構造接合部設計指針による面外耐力を計算できます。


杭基礎、独立基礎の基礎回転耐力

杭許容支持力、地盤の許容支持力度や基礎に働く軸力により基礎スラブ接地面の回転耐力を指定により自動計算します。また偏心基礎に対しても自動計算が可能です。

解析モデル

  • ① 立体解析
    不整形な建物でも保有水平耐力を正確に求めることができ、柱の2軸曲げや直交フレームの拘束などを考慮します。
  • ② 擬似立体解析
    ほぼ整形な建物に用います。柱抜けや軸振れがある場合は補正が必要です。平面フレーム解析と同等ですが、床の回転を考慮します。
  • ③ 平面フレーム解析
    整形な建物に用い、1フレームずつ単独解析します。
  • ④ 節点振り分け法
    柱はり架構は節点振り分け法、壁は仮想仕事法で計算します。整形な建物に用い、簡便な解析方法です。
解析モデル

解析モデル


屋根面ブレースの検討

  • ① 弾性解析による方法(略算法)
    弾性応力計算結果に水平震度Kn分を割り増した短期応力状態を用いて検討します。
  • ② 保有水平耐力計算の算定結果に基づく方法(精算法)
    建物全体が保有水平耐力Quに達した時に、屋根面が降伏にしないことを確認します。
  • ③ 弾塑性増分解析による方法
    立体解析の保有水平耐力計算機能を用いて屋根面ブレースの軸応力を直接用いて検討します。

マルチスレッド対応による高速計算処理

マルチスレッド対応による高速計算処理

※ 建物形状や構造種別、計算条件により、解析時間は異なります。



S造耐震診断

各靭性指標の算出、図化が可能。確認しやすい判定表を出力

計算条件

建物形状を考慮してS造診断指針または屋体基準を指定できます。


耐震性能の判定

目標耐震性能に対する判定を行います。
倒壊または崩壊する危険性がある場合、補強設計での目安のために、建物重量・階の靭性指標が大きく変化しないと仮定した概算必要補強耐力を算出します。特に解析モデルが平面フレーム解析や節点振り分けモデルではゾーニングとして平面ごとに算出します。

構造耐震指標と判定

構造耐震指標と判定

靭性指標

部材:
準拠する基準のほか、「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」に基づく耐震診断計算時に適用される「沿道建築物耐震診断マニュアル」により部材の靭性指標を計算します。
節点:
S診断指針の場合、取り付く部材の最小となるF値もしくは曲げ耐力による塑性変形性状を考慮したF値を計算することができます。
屋体基準の場合は、崩壊する部材のF値となります。
階:
S診断指針の場合、階の靭性指標を最小値もしくは保有水平耐力による重み付き平均値から計算することができます。また架構の節点の最小F値から計算方法を自動判別することができます。
屋体基準の場合は終局時応力と崩壊状態を考慮した重み付き平均値となります。
靭性指標図

靭性指標図



計算結果

出力

概要書

豊富な出力の中から耐震性能判定する上で重要な項目を集めた概要書を出力することで短時間に結果を把握ができます。


詳細出力機能

S造のはり、柱、ブレースや杭基礎・独立基礎を伏図/フレーム図で選択して詳細な計算式を出力します。計算結果の把握や耐震診断判定会資料の作成に大きく貢献します。


計算結果出力

伏図、軸組図や破壊モード図を、図や表を中心としたグラフィック形式結果出力と結果図ウィンドウに出力します。出力結果は、他のソフトに貼り付けたり、数量集計に利用することができます。

出力結果の二次的利用

計算結果履歴管理

計算結果画面を分割して計算・検討中の入力データ①の結果と以前に計算し履歴管理されている計算結果②を同時表示して比較できます。

計算結果の比較

計算結果の比較



プログラム関連図


プログラム関連図 DOC-RC/SRC DOC-3次診断 BUS-断面リスト KT-SUB FAP-3 SNAP MED-3 DRA-CAD
  • ① BUS-6から建物の節点、部材配置、部材断面および荷重を転送します。
  • ② BUS-6から建物の節点、部材、各部材の弾塑性モデル化情報を転送できます。
  • ③ DRA-CADに架構に関するデータを渡し、架構の3次元表示ができます。


準拠基準・指針


一般財団法人 日本建築防災協会

  • 2011年改訂版 耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針・同解説※1
  • 耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針・同解説(1996)
  • 2017年改訂版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説※2
  • 2001年改訂版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説
  • 2009年改訂版既存鉄骨鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説

文部科学省

  • 屋内運動場等の耐震性能診断基準(平成18年版)※3
  • 屋内運動場等の耐震性能診断基準(平成8年版)※3

  • 以下、「S診断指針」と記します。
  • 指定するにはDOC-3次診断 Ver.5 が必要となります。
  • 以下、「屋体基準」と記します。


RC/SRC造との混構造・3次耐震診断にはDOCシリーズ

DOC-RC/SRC

「耐震診断基準」に準拠した既存RC/SRC造建物の1次・2次耐震診断を行います。耐震改修を行う場合の補強設計にも、使用できます。

DOC-RC/SRC 機能紹介

DOC-3次診断

「耐震診断基準」に準拠した既存RC/SRC造建物の3次耐震診断のほか、「総合耐震診断」に準拠したRC/SRC/S造建物の耐震診断を行います。

DOC-3次診断 機能紹介


動作環境・価格


動作環境

対応OS
64bit Windows 11※1 / 10※2
メモリー
8GB(推奨16GB)
ディスク空き容量
1GB以上のディスク空き容量
ディスプレイ
1280×768
グラフィックス
OpenGLの機能をサポートできるビデオカードとドライバー
ライセンス認証
ネット認証※3
インターネット接続
ネット認証時はインターネット接続が必要※4
その他
CD-ROMドライブ

耐震診断計算にはRC/SRC/S造建物の一貫構造計算ソフトは不要です。

  • Windows 11 Sは除きます。
  • Windows 10 Mobile / Windows 10 Sは除きます。
  • ネット認証は仮想化環境では利用できません。
  • インターネット接続できない場合は、販売店または営業までお問い合わせください。
  • ・32bit Windowsでは動作しません。

価格

DOC-S Ver.3

新規購入
385,000円 (税込)

バージョンアップ

DOC-S Ver.2より
88,000円 (税込)
DOC-S Ver.1より
132,000円 (税込)


※「DOC-S」は、株式会社構造システムの著作物であり、著作権およびその他の権利は株式会社構造システムに帰属します。

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