構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。
事例レポート
操作性と解析スピードが進化
- BUS-6からの移行もスムーズに -
みつる一級建築士事務所では、構造設計と意匠設計を行っています。
大型の工場、公共建築物、介護施設など多様な用途の建物を設計され、豪雪や火山灰への配慮など細かなニーズに応える、地域に根ざした設計事務所です。
また、免震建築物の設計やBIMモデルとの連携にも積極的に取り組まれています。
構造設計業務を主に担当されている須澤 匡宏 氏にお話を伺いました。
周囲に構造システムユーザーが多く、意見交換がしやすい
― それではまず、「構造モデラー+NBUS7」導入の経緯を教えてください。
須澤氏
弊社の代表が35年ほど前から構造システムのユーザーでして、Windowsが登場する前の、DOS版の頃から利用させていただいています。
私の周囲でも構造システムのソフトを利用している方は多いので、意見交換などをしやすいのも使いやすい点です。
今後「BUS-6」の役割が「構造モデラー+NBUS7」に移行していくとのことでしたので今から慣れておこうと思い、導入を決めました。
― 「構造モデラー+NBUS7」を利用した建物概要を教えてください。
須澤氏
市内の消防団の詰め所の計画通知に利用させていただきました。
当時は基礎構造がなかったので「KT-基礎」を併用していました。
また、現在進行中ですが工場の発電施設の建屋も担当しています。
一貫構造計算および構造計算書出力の時間が「BUS-6」の約3分の1に
― 「構造モデラー+NBUS7」を利用したご感想を教えてください。
須澤氏
操作やメニューが「BUS-6」とは違ったので、最初は少し戸惑いましたね。入力に関しては説明書やヘルプ、チュートリアルなどを見ながら作業したので、特に困ることはなくスムーズに導入できました。サポートの方々にもいつも丁寧に対応していただいています。
「BUS-6」と比較するとグラフィックがきれいで見やすく、入力方法もわかりやすいです。
部材リストから部材を選択しての配置はわかりやすく、私自身「SNAP」も利用していてプロパティ操作に慣れていたこともありますが、ダイアログなど個別の入力画面ではなく、プロパティによって共通の方法で入力ができるようになったのは使いやすい点です。
リボンメニューもわかりやすく重宝しています。
また、解析スピードも「BUS-6」よりとても早くなっていて助かっています。
ただ、入力した躯体形状から解析用の構造モデルに自動生成を行って、生成された解析モデルに対して計算条件を入力する仕組みに慣れる必要がありますね。
― 計算結果ビューアーNOUTについてはいかがですか?
須澤氏
計算を実行すると、独立したプログラムが起動する機能ですね。
最初はどういった機能なのかわからなかったのですが、計算が終了した直後だけでなく計算結果履歴の管理機能を使って以前に計算した結果も表示することができますし、今は計算結果の確認をするのに便利に使っています。
ビジュアル的に結果が見えるので助かっています。
― 「BUS-6」とは異なり、構造計算書の様式が大臣認定プログラムに準じた出力様式となっていますがわかりにくい部分はありましたか?
須澤氏
出力の確認がわかりにくいということはありませんでした。
ただ、計算結果書が入力データの内容が記載された入力データ書と構造計算書と2つに分かれているのでどのように添付したら良いかわからず、申請機関の方に確認をしながら進めました。
あとは大きな問題や不便はなく使っていますね。
今後の機能追加次第で「BUS-6」からの早期完全移行も視野に
― 「構造モデラーシリーズ」として改善してほしい点はありますか?
須澤氏
近々機能追加される予定と聞いていますが、私は「構造モデラー+基礎」と「構造モデラー+NBUS7」を連携して使っているので、杭に対応するようになれば、とても嬉しいです。
対応するようになれば「BUS-6」からの移行期間の前に切り替えられると思っています。
それと、基礎部分の計算書が「構造モデラー+NBUS7」の構造計算書に追加する形で1冊で出力されるようになったと思うのですが、私が一貫構造計算書の出力と基礎構造を章立てして分けているので、そこが切り離せればなお使い勝手が良いかなと思います。
あと、基礎ばりがない建物もよく担当するので、杭の保有時や終局時の検討ができると便利だと思います。
― お話を聞かせていただき、ありがとうございました。今後も使いやすさを更に追求するとともに、機能も充実させていきます。
「構造モデラー+NBUS7」とは
構造躯体を入力する構造設計プラットフォームである「構造モデラー」と、解析・結果出力を担う一貫構造計算システム「+NBUS7」に内部構造を分離した、統合設計環境です。
基礎構造計算、動的解析とのスムーズな連携を実現し、今後は木造構造計算など様々な計算システムと連動する統合設計プラットフォームとして、これからも機能拡張を続けていきます。
構造設計に必要な建物形状の入力と確認をするために多彩なウィンドウを備えています。
これらのウィンドウは作業に合わせて自由にレイアウトすることができます。
任意通り心、補助線、測定、メッシュなどの充実した機能で複雑な形状の入力をサポートします。
一点に部材心が集まらない意匠モデルから、構造節点に部材心が集まる構造モデルを生成します。
「+基礎」と組み合わせて使うことで基礎の計算・結果出力までを連続して行えます。
「SNAP」連携では部材レベルの弾塑性解析・時刻歴応答解析など一貫構造計算ソフトの枠を超えた設計検討ができます。
建物図面のCADファイルから通り心、階高情報や、部材の寸法、配置情報を読み込めます。
また、CAD図面を下図として表示し、スナップ機能で任意通り心、雑壁、壁開口を正確に入力できます。