構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。

【重要】
2026年4月1日、構造システムと建築ピボットが合併し、経営統合へ

超高層の課題に応える、高度な解析の適応力

事例レポート

超高層の課題に応える、高度な解析の適応力
- 複雑な架構を具現化する任意形状モデルと、設計者の意志を貫く精緻な検証プロセス -

株式会社三菱地所設計は、1890年に東京丸の内を日本のビジネスの中心地として整備するため三菱社に設置された「丸ノ内建築所」をルーツとした、国内屈指の歴史と実績を誇る組織設計事務所です。
業務で「SNAP」を使用されている中村俊介氏と岸澤竜之介氏にお話を伺いました。

中村 俊介 氏
株式会社三菱地所設計
構造設計部
中村 俊介ナカムラ シュンスケ
岸澤 竜之介 氏
株式会社三菱地所設計
構造設計部
岸澤 竜之介キシザワ リュウノスケ
株式会社三菱地所設計
創立
2001年
所在地
東京都千代田区丸の内2-5-1丸の内二丁目ビル
URL
https://www.mjd.co.jp/
従業員数
892人(2026年4月1日時点)

中村 俊介 氏
株式会社三菱地所設計
構造設計部
中村 俊介ナカムラ シュンスケ

― まず、貴社の構造設計部の特徴や、普段どのような種類のプロジェクトを手掛けられているのか教えてください。

岸澤氏 多いのはやはり超高層ビルと言われる高さ60mを超える案件ですね。 60m以下の大臣認定に係らない確認申請の案件や大屋根の構造、空間構造と言われるビルディングタイプのものもありますが、貸事務所が入ることを前提とした複合ビルが一番多い建物形式だと思います。

― 「SNAP」導入の背景についてお聞かせいただけますか。

中村氏 私が担当していた超高層プロジェクトで、「SNAP」を用いて全て設計しようとしたのが最初だと思います。
当時、当社では超高層プロジェクトが立て続けに進行しており、ソフトのライセンスが不足することが頻発していました。 そこで、違うソフトを使いたいと社内で提案し、「SNAP」を導入することになりました。
実際に使ってみると、出力や応答解析の結果は見やすいし、断面入力もスムーズにできたので、すごく使いやすいと思いました。
一方で、社内では「SNAP」の操作に慣れた人がまだいなかったので、サポートさんには毎日のように質問させていただいていました。
クイックレスポンスしていただいたのが大変ありがたかったです。

― 構造設計の流れの中に新しいソフトを組み込むことで大きな支障はなかったでしょうか。

中村氏 それはなかったと思います。
使っている地震波の入力データなども、そのまま「SNAP」で読み込んで使えました。 詳細な部材設計は、他のソフトを使っていた時も、出力したCSVを用いて別途計算していたので、その辺りも変わらず、設計の大きな流れとしては同じように使っていけました。

免震建物の解析画面

免震建物の解析画面


任意形状立体であることの使いやすさ

― 「SNAP」を使って良かった点はありますか?

中村氏 すごいと思ったのは履歴データを登録するとすぐ応答スペクトルが出せるところですね。
減衰のパーセンテージを変えてもすぐ出せる。 振動応答解析を回していてモデルを変えて応答が出たとき、建物の周期と応答スペクトルの関係を確認したくなったら、「SNAP」の中でパッと出して確認できる。
解析していてとても便利だなと思いました。

岸澤氏 節点質量を丸のサイズで表示してくれますよね。
細かい機能かもしれませんが、他社のソフトウェアでは必ずしも充実していない機能なので、ありがたいです。 グラフィカルに確認するための機能が充実しているというのが「SNAP」の第一印象です。
あとは、部材を線描画ではない3D表示をした時の動作が速いですよね。 3D表示のモデルの見かたとか、節点表示・要素表示じゃないのにすごくキビキビ動くというのは良いところだと思います。

中村氏 私が以前担当したプロジェクトは、柱が分岐するような形状でした。 他のソフトでもやろうと思えばできますが、「SNAP」は節点を作って、それを線で結ぶソフトですよね。 人によるかもしれないですが、私はそちらのほうが慣れていて、複雑なモデルをやる時にはそういった操作性のほうが明快でよいと思います。
また、社内では「SNAP」は色々な種類の弾塑性バネを選べるので好きだという声もあるようです。

岸澤氏 私は大学院の時にも「SNAP」を使っていたことがあり、建物のうち剛床に所属しないような部分の形状を簡単にモデル化して数値解析を行えるので、任意立体系であることは便利さとして当時から感じていました。

― 計算速度に関してはいかがでしょうか。ボリュームがあるとそれなりに時間はかかってしまうと思うのですが。

岸澤氏 使うパソコンなど環境によっても変わると思うのですが、遅いと思ったことはないです。 また、以前から並列実行も実装されていましたよね。あれはすごく便利でした。

― 安定性はいかがでしょうか。不安定で計算が止まるといったことはありますか?

中村氏 10波ほど回していて、1波計算が止まる時があり、解析時間刻みを少し細かくして対応した記憶はありますが、ほとんど感じなかったです。

超高層建物の解析画面

超高層建物の解析画面


高度な構造解析に求められる、外部プログラムとの柔軟な親和性

― 「SNAP」のアウトプット、グラフやアニメーションなどの機能はどういった形で使っていますか?

岸澤氏 アウトプットでいうと、CSVの出力ファイルにインデックスが充実していて、内容に抜け漏れがないという印象でとても使いやすいです。
以前、大梁端部の水平拡幅部を検定位置とした検定比図の出力を大臣認定の構造評定部会で求められ、「Grasshopper$reg;」のプログラムを急造し描画したのですが、それが可能だったのも、出力されるCSVファイルがとても丁寧に作られているからこそだと感じています。 補助的に外部プログラムで活用したいという時に、テキストベースの出力データが丁寧で、充実しているというのはユーザーとして助かっているところです。

― 外部との連携や、CSVで二次利用できたりバッチ処理で他のソフトと繋がったり、そういった機能は設計者として今後も重視されますか?

岸澤氏 非常に重視している点だと思います。
例えば、大臣認定の構造評定部会の審査では、一貫計算出力を提出して終わり、ではなく指摘に応じた追加の検討を行う必要があります。 そのため、CSV出力などテキストベースの出力ファイルに抜け漏れがなく、扱いやすい状態で整理されていることは重要ですね。 「SNAP」は整ったフォーマットで出力されていて、二次的に扱って検討を進めていくことが非常にやりやすいと感じています。 当社で「SNAP」を使うとなると、多くの場合で大臣認定ルートのスキームが想定される状況になるので、こうした実務での扱いやすさは重視される項目です。


親身になってくれるサポートの対応が手厚い

― サポートの対応や、ヘルプやマニュアル類に関して、解決へのスピードなどはいかがでしょうか。

中村氏 冒頭で触れた通り、導入当初はサポートの方にはかなり多くの質問をさせていただきました。
問い合わせでちょっと複雑な内容になったときに「もし可能であればファイルを送ってください」と提案いただき、実際に確認したうえで「前提がこうなっているので、それを修正していただければ改善します」という具体的な回答をいただけた点が手厚いなと思いました。 私の作成したモデルを見て即座に対応いただけた印象があり、助けられました。

― 「SNAP」は質問の内容もかなり高度なものになってくるので、使い方だけでなくそうしたところも踏まえて、お客様に寄り添いつつ、一方で設計者判断までは踏み込まないような形の対応を心がけています。

中村氏 そうですね。設計者としては示唆的にフォローしていただけたのがありがたく感じました。


プログラムに頼るばかりではなく、自らの知識を活かしていく

― これから応答解析の分野を勉強していく技術者の方に向けて、応答解析の重要性や技術の習得において大切にすべきだと思われるところをアドバイスとしていただけますか。

岸澤氏 入力が簡潔で、丁寧な状態であることと、出力を自身で説明できることを重視すべきかと思います。
過剰に詳しく入力したり、それゆえに出力の変化を説明できなくなってしまうのでは本末転倒です。 その点で、出力結果が整理され、理解しやすくまとめられている「SNAP」は非常に丁寧で助かっています。 やはり原理原則を理解して臨むべきだと思っているため、ニューマークβ法など、どういう計算が行われているかを理解して、自分なりに出力が説明できる状態にしておきたいですよね。

中村氏 解析ソフトを開発されている方とも、一緒に設計しているような意識を持たないといけないと思っています。
プログラムは決して完璧ではないからこそ、この気持ちを持てば、プログラムに対しても「本当にそうなのか?」という目で見ていける。 完成された既製品を使っているわけではなくて、一緒に問題を解いていくんだという気持ちでトライしていくと、思わぬ落とし穴にも気付けるのだと思います。

― お話を聞かせていただき、ありがとうございました。



高度な解析をより高速に解かりやすく

SNAP」は、任意形状の構造物に対する部材レベルの弾塑性の動的応答解析、応力解析、増分解析を行います。 優れた操作性と高度な解析機能を備え、データ入力から解析結果の表示・出力まで、スピーディーに行えます。
64ビットアプリケーションのため解析を行う構造物の規模・データに制限はなく、マルチコアCPUを活用して複雑な構造物を高速で計算します。
豊富な自動計算機能により効率よく解析モデルを作成し、多彩な出力機能により解析結果を視覚的に把握できます。
超高層建物、制振構造、免震構造や木造など各種構造物の設計や耐震診断・補強に対応できる機能を備えています。

「SNAP」の機能紹介 



高度な解析性能と優れた操作性の調和




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