2025年1月27日 [更新]
HOUSE-ST1 Ver.9 リリースのお知らせ
在来木造の構造計算「HOUSE-ST1 Ver.9」で追加・改善される機能について、一部をご紹介いたします。
なお、リリース日は2025年2月末を予定しています。
2025年改正建築基準法対応(令46条壁量計算等)
準耐力壁等
存在壁量へ準耐力壁等を算入できるようになりました。
「存在壁量に算入しない」「準耐力壁等が必要壁量の1/2を超えるとして算入する」「準耐力壁等が必要壁量の1/2以下として算入する」の指定により、壁量計算、四分割法、偏心率、柱頭・柱脚接合部の各計算に、指定に合わせた算入ができます。
必要壁量
Ai分布による必要壁量の算定式に対応しました。許容応力度計算で算出した実態に応じた重量から、必要壁量が計算できます。
壁量等の基準(令和7年施行)に対応した設計支援ツールの「表計算ツール」および「早見表」で決定した「床面積に乗ずる値」での検討を行うことも可能です。
壁倍率上限
壁倍率の上限を、7倍、上限なしから選択できるようになりました。
5倍を超える高耐力壁が使用できます。
許容応力度計算時の壁量計算
許容応力度計算を行った場合、壁量計算結果を省略できます。
指定により、壁量計算の結果を許容応力度計算に含めることもできます。
筋かいの高さによる壁倍率の低減
筋かいを入れた軸組の高さが3.2mを超える場合、壁倍率を自動で低減する機能を追加しました。
鉛直方向壁量充足率
3階建て高さ13m超16m以下の木造建築物を対象に、これまで許容応力度等計算において検証を行っていた剛性率規定に代わるものとしての鉛直方向の壁量充足率の確認ができます。
計算
べた基礎接地圧計算範囲直接入力
べた基礎接地圧計算範囲が直接入力できるようになりました。
べた基礎の接地圧の検定では、区画面積が小さい場合にNGとなることがありますが、NGとなった隣接区画で十分な余裕がある場合、直接入力により範囲を合計して計算することが可能です。
小屋裏等面積範囲入力
小屋裏等面積範囲を配置できるようになりました。
令46条の必要壁量計算用床面積を割増すための入力は直接入力のみでしたが、配置された範囲から加算する面積を自動計算して加算することが可能です。
配置した小屋裏等面積範囲は、壁量計算への考慮のほか、4分割法では側端部分の小屋裏等面積範囲を自動計算して計算に考慮します。
屋根面ごとに屋根形状係数直接入力
屋根勾配による積雪荷重低減係数(屋根形状係数)を、入力屋根面ごとに指定できるようになりました。
1つの建物で勾配が混在していた場合に、より実態に近い積雪荷重を設定できます。
2点留め筋かい金物
筋かい金物が横架材には緊結しないタイプを登録できるようになりました。
2点留め筋かいの場合、筋かいが取り付く柱頭または柱脚接合部の複合応力の検討、筋かい上端が取り付く横架材接合部の引抜力に対する検討を行います。
布基礎の底盤幅検討範囲直接指定
接地圧検討範囲を直接指定できるようになりました。
指定がなければ接地圧検討範囲は入力範囲(布基礎始端・終端範囲)となりますが、この指定により基礎ばり配筋を途中で変更したい場合に活用できます。
出力
出力時間短縮
マルチスレッド処理により、出力時間を短縮しました。
出力処理の流れを見直し、並列処理が可能なデータ構築、改ページレイアウトの処理を別処理とし、CPUの各コアに分散して処理を行います。
計算後や、印刷設定で出力項目変更後に出力が表示されるまでの処理が高速になります。
壁量計算、品確法出力
壁量計算書として、別途出力する機能を追加しました。
品確法計算書は、壁量計算書と同じ形式で出力され、A4縦とA3横のレイアウトを選択できます。