構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。

木造の構造計算方法とソフトの対応

2024年3月[更新]

木造の構造計算方法とソフトの対応

木質構造では規模の小さな住宅から大規模・大空間まで、幅広い建築物を計画できますが、規模や構法により適用される計算方法が異なるなど少し複雑な面もあります。
この表は、「2020年版」建築物の構造関係技術基準解説書」などを参考に、高さ31m以下の木質構造に限定して計算方法を整理したものです。
なお、枠組壁工法と木質プレファブ工法は平成13年国土交通省告示第1540号に構造安全上必要な技術基準が定められています。


種類 規模など 対応する弊社
ソフト
計算方法・計算機能など

高さ 延べ床面積 計算ルート







※12




※13







※14


















接合部金物の検討
軸組構法
※1
2

以下
高さ13m以下、
軒高9m以下
500m²
以下
HOUSE-4号
HOUSE-ST1
N値計算法
500m²
HOUSE-ST1
※6
ルート1
※15
2階以下
平12建告1460号
N値計算法
N値計算法準拠の方法

3階
N値計算法準拠の方法

品確法
平12建告1460号
N値計算法
3

以下
高さ13m以下、
軒高9m以下
高さ13m超で
31m以下、
または
軒高9m超
ルート2
※17







※2
耐力壁構造
※4
3

以下
高さ13m以下、
軒高9m以下
ルート1
※16
高さ13m超で
31m以下、
または
軒高9m超
ルート2
※17
ラーメン構造

耐力壁構造
6

以下
中間階を含む
※5
高さ13m以下、
軒高9m以下
WOOD-ST
※7
ルート1
※19

※15

※16
軸力+曲げ、曲げ+せん断などの複合応力による接合金物の検定計算
※20
高さ13m超で
31m以下、
または
軒高9m超
ルート2
※11

※17
高さ13m超で
31m以下、
または
軒高9m超
FAP-3

MED-3
※8
ルート2
※18

※17
接合金物の検定計算
SNAP

SNAP-MD
※9
ルート2
※18
CLTを用いた建築物
※3
高さ31m以下 SNAP ルート3
伝統的構法 高さ31m以下 SNAP

SNAP-MD
※10

:必要とされる計算方法へ対応しているものに表示:必要な計算方法の一部に対応しているものに表示 :制限なし、適用なし、対応なしの場合に表示

  • :軸組構法とは軸組の倍率(壁倍率)が施行令第46条及び建告第1100号に示された耐力壁(筋交入りまたは面材軸組)や大臣認定を受けている耐力壁で水平力に抵抗する建築物。
  • :集成材等建築物とは構造用集成材や構造用製材など昭62建告第1898号に掲げる材料を用い、国土交通大臣が定める基準(昭62建告第1899号)に従った構造計算により構造耐力上安全であることが確かめられた構造で、壁量などの規定を適用しない建築物。
  • :CLTを用いた建築物の一般設計法を定めた国土交通省告示第611号(平成28年)により、ルート3による検討が必要な建築物。
  • :施行令第46条及び建告第1100号に示された耐力壁(筋交入りまたは面材軸組)や大臣認定を受けた耐力壁で水平力に抵抗し、その安全性を令46条第2項第1号ハに定める構造計算で確認する建築物。
  • :中間階を階と設定すると、その階として検討が必要な層間変形角・偏心率・剛性率の計算を行い、出力する。中間階を利用してスキップフロアのある建物の計算にも対応できる。
  • :ルート1の構造計算に対応し、木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)(通称:グレー本)などに準拠した計算で安全性を確認する。
    木造校舎に関する「JIS A 3301を用いた木造校舎に関する技術資料」や高倍率耐力壁を用いた大空間の構造計算機能も備える。
    また品確法の評価による計算機能も備えている。
  • :純ラーメン構造やラーメンと耐力壁構造が混在した建築物のルート1、2の構造計算に対応し、RC造・S造等の骨組構造と同じ考えの弾性立体応力解析を行い、接合部の弾性剛性を応力解析に考慮できる。燃えしろ設計に対応した検定計算機能も備える。
    X・Y軸交点を結ぶ斜め線上に配置したはり・壁やスキップフロアのある建物に対応している。立面方向に節点移動できるので、登り梁にも対応している。
  • :線材や平面板要素(FEM)、壁エレメントやトラス材でモデル化する任意形状建物の弾性応力解析を「FAP-3」で行い、「MED-3」により集成材・製材の断面検討を行う。
    開口を含んだ壁の詳細な応力を求める場合は、線材とFEMによるモデル化で弾性範囲の応力解析を行うことができる。
    木造骨組みの応力解析に大きな影響を与える接合部剛性は弾性範囲で評価できるが、塔状比の検討を行う機能はない。
  • :応力解析や弾塑性静的増分解析は任意形状立体フレームの弾塑性解析ソフト「SNAP」で行い、「SNAP-MD」により集成材・製材の断面検討を行う。
    接合部を弾塑性バネとして評価でき、木造骨組みのすべりや剛性低下を考慮できる履歴特性を与えることが出来るが、塔状比の検討を行う機能はない。
  • :任意形状立体フレームの弾塑性解析ソフト「SNAP」による時刻歴応答と、「SNAP-MD」による集成材・製材の断面検討で伝統的構法の安全性の確認ができる。
    限界耐力計算は現行法に対応した方法が提案されていないため、ソフトは存在しない。
  • :ルート2の計算では筋かいのβによる応力割増と筋かい端部・接合部の破壊防止の検討を行うが、塔状比の検討を行う機能はない。
  • :一貫構造計算機能とは、入力された建物形状から荷重計算、応力計算、断面計算などを一連で計算し、構造計算書を出力する機能を指す。
  • :軸組の倍率(壁倍率)により、壁量規定と釣合いの良い配置(令46条第1項)の検討を行い建物の構造安全性を確認する計算。
  • :令46条第2項第1号ハの規定により構造耐力上安全であることを、国土交通大臣が定める基準(昭62建告第1899号)に従った構造計算により確認。
  • :RC造壁式構造部分は「WALL-1」や「HOUSE-WL」、RC/S造ラーメン構造部分は「BUS-6」とデータ連携でき、立面混構造の木造部分の構造計算が行える。
  • :ねじれ(偏心率)の検討を行う。 偏心率が0.15を超える場合の対応は、注記※17と同じ。
  • :偏心率が0.15を超え0.3以下の場合はFeによる外力割増、ねじれ補正、保有水平耐力の確認のいずれかを別途行わなければならない。
    偏心率が0.3を超える場合は保有水平耐力の確認が必要となる。
  • :「木質系混構造建築物の構造設計の手引き」 に準拠した地震力などを設計者が追加入力することで混構造に使うことが出来る。
  • :中間階を含まない3階以下の建築物の場合に行える。
  • :中間階を含まない3階以下の建築物の場合に、N値計算法準拠の方法により行うことも出来る。

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