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トップページ  >  トピックス  >  「東京都における緊急輸送道路沿道建物建築物の耐震化推進に係る耐震診断マニュアル」に対応するためのDOCシリーズの対処方法について
トピックス
これは、平成23年3月18日に公布された「東京都における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」に基づき実施される耐震診断に適用するため決められた耐震診断マニュアルへの弊社ソフトの対応を示したものです。
耐震診断マニュアルは日本建築構造技術者協会のホームページトップ画面のお知らせ【東京都における緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断について(耐震診断・補強判定)】をクリックし、表示される画面の下の方の【7.耐震診断マニュアル】をクリックして見ることが出来ます(JSCA会員だけに公開されている情報です)。
構造別一覧 RC造、SRC造共通 RC造 SRC造 S造


RC造、SRC造共通
1. 壁のモデル化 - 雑壁F値の扱い
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.11の(4)、16の(3)) F値:
RC造構面内、構面外雑壁のF値は、原則としてF=1.0とする。
SRC造構面外雑壁でせん断破壊しないものはF値=1.27としてよい。
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否○(構面外雑壁)
対応の可否△(構面内雑壁)
対応方法
RC、SRC造にかかわらず、構面外、構面内共、(一財)日本建築防災協会(以下、建防協)の診断基準(せん断破壊はF=1.0、曲げ破壊はF=1.0~1.5)によります。
診断マニュアルに従う場合は、構面外雑壁はF値を直接入力することで対応できます。ただし、構面内雑壁はF値を直接指定できないので、同位置に構面外雑壁を配置し、直接F値を入力する方法で対応できます(必要に応じて壁自重の調整を行う)。
DOC-3次診断対応の可否
今後の対応予定 対応方法
[ 耐震診断計算条件 ]画面(テキストコードはDCO)に「雑壁F値の扱い」として以下の選択入力13を追加します。
1防災協会(せん断破壊はF=1.0、曲げ破壊はF=1.0~1.5)
2RC造、SRC造共F=1.0
3RC造はF=1.0、SRC造のせん断破壊はF=1.0、曲げ破壊はF=1.27
注)2001年RC造耐震診断基準および2009年SRC造耐震診断基準に準拠した計算を行う場合に有効

対応時期
2012年6月頃 対応予定

2. 下階壁抜け柱の検討
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.13の3.12、P.17の4.8) 下階で耐震壁が抜けている架構については、耐震壁を支える柱が大地震時の変動軸力を受けた場合、軸力比が制限値以下であるかを確認。制限値を超える場合は補正したIs値を参考値として計算する。SRC造は軸力比の制限に鉄骨を考慮する。
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否△
対応方法
診断マニュアルでは全引張時の圧縮柱軸力に対して検討することとなっていますが、現プログラムは柱短期軸力の倍率で計算した終局時柱軸力に対してIs値補正のための軸力比nをCSVファイルで出力しています。これを利用して補正計算を行うことで対応できます。
DOC-3次診断応の可否 対応の可否○
対応方法
保有水平耐力計算を行うため、耐震診断計算の中で考慮されています。
CSV出力の軸力比をそのまま利用して確認します。
今後の対応予定 対応方法
DOC-RC/SRCの別途計算が不要になるように診断マニュアル記載の方法で終局時柱軸力に基づく軸力比を計算したCSVファイルを出力する予定。

対応時期
2012年6月頃 対応予定

凡例:
  ( )内ページは診断マニュアルの記述箇所を示します。
  対応の可否 ○:対応しています。
△:入力の工夫により対応できます。
△:現状では対応できません。
―:計算の対象外

RC造
1. 材料強度 - 軽量コンクリートのQsuに低減係数aを乗じる
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.7の(2)) 軽量コンクリート部材のせん断終局耐力Qsuは以下の式で算定。
  • Qsu=a・Qsu'
  • ここに、
  • Qsu':Fcより求めたせん断終局耐力
  •  a:軽量1,2種は0.9、3,4種は0.8
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否○
対応方法
RC造はQsuに上記低減率を掛けて計算しています。
なお、診断マニュアルには記載がありませんが、SRC造の場合は[ 耐震診断計算条件 ] - [ 詳細設定 ]画面ダイアログ(テキストコードはDCOの第40項目)でFcまたはQsuのいずれを低減する科の指定ができます。


図. [ 耐震診断計算条件 ] - [ 詳細設定 ]のダイアログ
DOC-3次診断対応の可否 対応の可否△
対応方法
RC/SRC造共、Fcに低減率がかかりますので、以下の方法で対応が必要です。
[ 材料データの入力 ] ダイアログ(テキストコードはBMCまたはDMC)で、普通コンクリートとして入力し、単位体積重量を軽量コンクリート相当重量に調整する一方、診断マニュアルに示す方法で低減したQsuを[ 部材耐力の直接入力 ] 画面(テキストコードはUDG、UDC、UDW)で直接入力します。
今後の対応予定 対応方法
DOC-3次診断は、DOC-RC/SRCと同様の計算ができるように改良します。

対応時期
2012年6月頃 対応予定

2. 壁のモデル化 - 開口周比の算定
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.9の(1)) 複数開口の場合、開口周比の算定に当たって、包絡開口か複数開口(開口面積の和)とするかは、開口形状により判断する。

図. 開口周比を包絡開口として算定する例
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否○
対応方法
利用者の判断で、[ 壁形状 ]または[ 壁形状2 ]ダイアログ(テキストコードはSWの第7項目またはSCW3の第7項目)でモデル化方法を指定します。
DOC-3次診断対応の可否
今後の対応予定 対応済みです。

3. 壁のモデル化 - 開口が上下に連続する連層耐震壁のQu3の計算
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.9の(2)) 縦連続窓開口を有する耐震壁は高さ方向の低減率の算定式は適用しなくてよいが、必要に応じて壁耐力を修正する。

耐力修正の例

  • ここに、n:基礎ばりなどによる拘束効果による調整係数で、1.0~2.0の値
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否△
対応方法
低減する必要がある場合は、別途Qu3を算定し、[ 壁耐力直接入力(2次診断)]ダイアログ(テキストコードはDD2)で直接入力します。
DOC-3次診断対応の可否 対応の可否△
対応方法
低減する必要がある場合は、別途Qu3を算定し、[ 部材耐力の直接入力 ]ダイアログ(テキストコードはUDW)で直接入力します。
今後の対応予定 上記「対応方法」により行ってください。

4. 壁のモデル化 - 雑壁の内法高さhoとtの上限値
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.11の(4)) 構面内雑壁の反曲点高さは梁内法高さとする。
床上の雑壁は反曲点高さを階高とし、終局耐力はtu=10kgf/cm2以下とする。
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否△
対応方法
構面内外共、雑壁の反曲点高さは階高の1/2となっています。
構面外雑壁は[ 雑壁 ]ダイアログ(テキストコードはSPWの第19項目)で高さを入力します。構面内雑壁は同位置に構面外雑壁として入力すれば同様の指定ができます(必要に応じて壁自重の調整を行う)。
[ 耐震診断計算条件 ]ダイアログ(テキストコードはDCOの第16項目)でtuの上限を指定できます。
DOC-3次診断対応の可否
今後の対応予定 対応方法
RC、SRC造共、[ 耐震診断計算条件 ]ダイアログ(テキストコードはDCO)に雑壁高さ(下図)の指定ができる入力を追加します。


対応時期
2012年6月頃 対応予定

5. 壁のモデル化 - 無視するそで壁長さの指定
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.12の(5)) 袖壁長さが200mm未満の場合は無視してもよい。また、この長さを超える袖壁でも柱幅の1/5未満の厚さであり、かつ柱の帯筋間隔が100mm以下で、袖壁に対して柱が十分に剛強な場合は無視できる。
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否○
対応方法
耐力計算に考慮する壁長さを一括指定する場合は[ 耐震診断計算条件 ]のダイアログで(テキストコードはDCOの第37項目)で指定できます。(たとえば、200mm未満の袖壁を無視したい場合は「20」と入力すれば20cm未満のそで壁を無視します)個別の壁に指定する場合は、袖壁を除いた壁開口形状で入力することもできます(必要に応じて壁自重の調整を行う)。

DOC-3次診断対応の可否
今後の対応予定 対応済みです。

6. 第2種構造要素の検討 - 軸力再配分における梁の連続性を考慮(CSV出力)
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.12の3.11の(2)) 梁による軸力の再配分は、支持能力が不足している柱の配置状況や梁の連続性を考慮して検討する。
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否○
対応方法
梁による軸力の再配分はCSVファイルで出力しています。伝達不可の梁を指定することで、柱の配置状況や梁の連続性を考慮した第2種構造要素の判定ができます。
DOC-3次診断対応の可否
今後の対応予定 対応済みです。

凡例:
  ( )内ページは診断マニュアルの記述箇所を示します。
  対応の可否 ○:対応しています。
△:入力の工夫により対応できます。
△:現状では対応できません。
―:計算の対象外

SRC造
1. 3次診断 - SRC造はりのせん断耐力の計算
対応関係 内容
診断マニュアル該当箇所(P.17の4.9の(3)) 大梁曲げ耐力の算定では片側1.0mのスラブ筋の効果を、せん断耐力の算定では1.2倍を上限として梁幅を割り増して床スラブの効果を考慮する。
DOC-RC/SRC対応の可否 対応の可否―
大梁耐力算定は本プログラムの計算対象外。
DOC-3次診断対応の可否 対応の可否△
対応方法
[ 部材断面特性 ](テキストコードはMPRの第1項目)または、[ はり曲げ耐力に考慮するスラブ筋断面積 ](テキストコードはMSR)で曲げ耐力に考慮するスラブ筋断面積を入力します。
スラブを考慮したせん断耐力の増大は、別途計算し、[ 保有計算-モデル化 ] - [ 部材耐力の直接入力 ](テキストコードはUDG)で入力します。
今後の対応予定 対応方法
曲げ耐力、せん断耐力共、協力幅内のスラブ筋を考慮して自動計算します。
梁幅増大は1.2倍を上限とします。

対応時期
2012年6月頃 対応予定

凡例:
  ( )内ページは診断マニュアルの記述箇所を示します。
  対応の可否 ○:対応しています。
△:入力の工夫により対応できます。
△:現状では対応できません。
―:計算の対象外

S造
1. 溶接欠陥等がある場合の診断
対応関係 内容
診断マニュアル記述(P.20の5.5) 溶接欠陥がある場合には、欠陥の長さや超音波探傷試験での欠陥の領域に応じて適切に溶接部の強度を評価する。
DOC-S対応の可否 対応の可否△
対応方法
溶接欠陥の程度に応じて、部材耐力を別途計算し、[ 保有計算-モデル化 ] - [ 部材耐力の直接入力 ](テキストコードはUDG、UDC、UDB)で直接入力します。
今後の対応予定 対応方法
溶接欠陥を入力し耐力低減を行います。

対応時期
2013年上旬 対応予定(DOC-S Ver.2)

2. 圧縮ブレースの耐力
対応関係 内容
診断マニュアル記述(P.21の(2)の5参照) 圧縮ブレースの耐力は十分に細長比が小さい場合を除き、座屈後の安定耐力を用いる。
DOC-S対応の可否 対応の可否○
今後の対応予定 対応済みです。

凡例:
  ( )内ページは診断マニュアルの記述箇所を示します。
  対応の可否 ○:対応しています。
△:入力の工夫により対応できます。
△:現状では対応できません。
―:計算の対象外

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