構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。
『FAP-3』は、線材(部材)と平面板要素で構成された任意形状構造物の弾性応力解析、固有値解析、偏心率・剛性率計算を行うソフトウェアです。
『FAP-3 Pro』は、『FAP-3』をさらに進化させ、『FAP-3』の弾性応力解析結果を利用して、FAP-3上で断面計算が行えるほか、弾性応力解析から断面計算までの一連の計算を、コンソール上のバッチ処理で行えます。
『FAP-3』『FAP-3 Pro』は、“使いやすさ”を重視し、必要最小限の操作で、複雑な形状の構造物でも正確に入力でき、計算から計算結果の確認までが、簡単かつスピーディーに行えます。
また、3次元ソリッドモデルで架構形状や解析結果の表示ができるので、部材配置の確認や力の流れの確認にパワーを発揮します。
入力・表示機能複雑な架構もスムーズに。多彩な表示で、入力ミスの発見に威力を発揮。
リボンメニュー
アイコンにマウスを近づけるとツールチップが表示され、コマンドの機能を確認できます。
コマンドは入力順に配置されているので、手順を迷わず作業できます。
クイックアクセスツールバー
全体表示、計算実行などを素早く実行できます。
また、よく使うコマンドの登録も可能です。
プロパティウィンドウ
プログラムの概要やモデル図の表示属性、選択部材の属性が表示され、モデルを見ながら編集できます。
計算結果図では、計算結果が確認できます。
メッセージウィンドウ
モデル作成や各種解析において、警告、エラーメッセージを表示します。
メッセージをダブルクリックすると該当項目のウィンドウが開き、エラー箇所が表示されるので、データ修正が迅速に行えます。
3次元ソリッドモデル表示
入力したモデルと弾性応力解析結果の応力度分布を3次元ソリッドモデルで表示できます。
視点はマウス操作で簡単に移動でき、さまざまな視点で架構を確認できます。
また、剛性増大率を考慮した断面性能と等価な断面で表示できるので、解析モデルの剛性の分布を一目で確認できます。
タブウィンドウとナビゲーションウィンドウ
各ウィンドウは、ウィンドウについたタブをクリックするだけで切り替えができます。
ナビゲーションウィンドウには、モデル全体が簡易表示され、モデルウィンドウに詳細表示されている位置を確認できます。
また、ウィンドウ上のマウス操作により、モデルを回転することもできます。
多彩な表示設定
モデルウィンドウには、多彩な表示設定を用意しており、入力データおよび計算結果の確認が簡単に行えます。
表示設定の切り替えは、リボンメニューのパネル上で、モデルを見ながらワンクリックで設定できるので、作業の効率化が図れます。
モデル図の表示設定
CADのようにデータ作成
画面に表示されたモデル図を使って節点番号を意識せずに、CADのような対話形式で荷重や部材配置などのデータ入力やデータの削除・修正を行えます。
また、入力操作の手順が表示されるため、簡単に入力できます。
対話形式での荷重配置前
対話形式での荷重配置後
移動/複写機能でデータ入力を効率化
節点・荷重・部材の平行移動/複写、回転移動/複写、対称複写機能によりデータ入力が効率的に行えるため、よりスピーディーに解析モデルを作成できます。
対称複写を利用した架構データ
多様な入力方法と容易なデータ変更
データは、図形式のほか、表形式でのデータ入力、変更、修正作業が行えます。
関連する入力項目ごとにタブにまとまっているため、効率よく編集でき、表計算ソフトウェア(Excelなど)で作成したデータの貼り付けや、その逆の作業もできます。
また、テキスト形式により一括入力もできます。
入力したデータは直ちに図や表に反映され、データの確認や変更が容易に行えます。
表形式入力
ビューブロック機能
ビューブロック機能により、モデル図や計算結果図、3Dモデラーで、フレーム別や層別に表示・印刷ができます。
ビューブロックは構面位置や表示範囲、任意の平面上、組み合わせで設定でき、任意形状でも簡単に指定できます。
計算機能モデル化から弾性応力解析・断面計算までをスピーディーに実現。
はり・柱・トラス・壁
断面
断面は、次の形状を扱うほか、断面性能を直接入力することもできます。
RC造、SRC造
| はり | 柱 | ||
|---|---|---|---|
| RC造 | |||
| S R C 造 |
コンクリート | ||
| 鉄骨 | ![]() |
||
鋼管コンクリート柱
| 被覆 | 充填被覆 | |
|---|---|---|
| 角形鋼管 | ||
| 鋼管 |
CFT柱
| 充填 | |
|---|---|
| 角形鋼管 | |
| 鋼管 |
木造
| はり | 柱 | トラス |
|---|---|---|
![]() |
![]() |
S造
| はり、柱、トラス | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 丸鋼※1 | 平鋼※2 | 山形 | みぞ形 | H形 | 箱形※3 | 鋼管※4 | 角形鋼管※4 | C形 |
鋼材・材質・認定品露出柱脚・木造接合金物のデータベース
鋼材・鉄筋径・鉄筋材質・鉄骨材質・木造材質・認定品露出柱脚・木造接合金物は、構造モデラー+NBUS7※1やSNAPシリーズ※2、WOOD-ST※3と共通のk-DB(構造システムデータベース)を参照して効率的に入力できます。 データベースはユーザー定義することもできます。
材質
材質は、RC造・SRC造・S造・CFT造・木造として定義するほか、構造種別によらず、材料定数を直接入力することもできます。
| 鉄筋 | 普通鉄筋 | SD235、SD295、SD345、SD390、SD490、SR235、SR295 |
|---|---|---|
| 高強度 せん断補強筋 |
SBPD1275/1420(ウルボン)、 SBPDN1275/1420(リバーボン1275)、 KW785(リバーボン785)、 SHD685(UHYフープ)、 MK785(エムケーフープ)、 KH785(スーパーフープ785)、 KH685(スーパーフープ685)、 SPR785(パワーリング785)、 SPR685(パワーリング685)、 OT685(OT685フープ)、 JH785(Jフープ785) | |
| 鉄骨 | 炭素鋼 | SS400、SS490、SM400、SM490、SM520、 SN400、SN490、STKR400、STKR490、 STK400、STK490、BCR295、BCP235、 BCP325、BCP325T、P-385、HBL385、 G385、G385T、NBCP325EX、NBCP440、 SHC400、SHC490、SHCK490、 SHC275-EN、SHC355-EN、UBCR365 |
| 軽量形鋼 | SSC400 | |
| ステンレス鋼 | SUS304A、SUS316A、SUS304N2A | |
| 木造 | 平成13年国交告第1024号に基づく集成材、製材 | |
部材入力方法
部材(はり・柱・トラス・壁)は、断面形状のみで簡易に入力する(構造モデル入力)方法と、構造種別ごとに配筋や壁開口、ベースプレート、木造の接合金物などを入力する(設計モデル入力)方法から、用途に合わせて選択できます。
設計モデル入力の場合、剛域、剛性増大率、開口周比、ベースプレート回転剛性、金物接合条件などを自動でモデル化できるので、効率よく解析モデルを作成でき、断面計算も行えます。
S造合成ばりの曲げ剛性増大率
付帯壁を考慮した剛域
面要素
面要素では、面内応力、面外応力を有限要素法の平面板要素として考慮することができ、壁や床スラブの剛性を評価することができます。
有限要素法の細分割は、分割方法を指定するだけで自動的に分割することができます。
面外応力の変位図
面要素の自動分割
スプリングと復元力特性
軸、せん断、曲げ剛性を直接設定するスプリングが配置できます。
スプリングには、剛性の変化を考慮できる復元力特性も設定できます。
復元力特性は、スプリングのほか、部材端接合、支点拘束にも設定できるので、ベースプレート、地盤、木造の接合金物など、より実状に沿ったモデル化を行うことができます。
面荷重
床荷重、風荷重などは、はり・柱で囲まれた凹凸を含む多角形に対して、面荷重として入力できます。
荷重の伝達方法は「亀の甲」に加え、凸四角形では「X方向」、「Y方向」を指定でき、小ばりの配置もできます。
境界節点は30個まで指定できるので、複雑な形状の荷重を扱うことができます。
X方向伝達+Y方向小ばり2本
凹多角形
複雑な形状
弾性応力解析
部材や節点に作用する外力、モーメントのほかに支点移動による強制変位、熱や初期ひずみおよび自重による荷重など、多様な荷重を設定して弾性応力解析が行えます。
設定した荷重を組み合わせた荷重ケースは100個まで扱うことができ、節点数や部材数に制限はありません。
固有値解析
固有値解析により、固有周期、刺激係数、有効質量比を求めることができます。固有モードは、固有モード図として表示できます。
偏心率・剛性率計算
剛床が成り立つ立体フレームでは、X・Y方向の水平荷重による応力解析の結果を用いて、各階の偏心率・剛性率を求めることができます。
断面計算Pro
建築実務で一般的に使用される諸基準に準拠して、RC/SRC/S/CFT造ならびに木造の断面計算が行えます(『FAP-3』でも一部の部材の断面計算をお試しできます)。
設計用応力は、弾性応力解析結果を使用することもできるので、断面計算に関する諸条件と応力の組み合わせを設定するだけで、スピーディーに断面計算が行えます。
検定計算
存在応力度と許容応力度を比較し、安全性を確認します。
① 2軸応力を考慮した断面計算
はり(S造、木造のみ)/柱部材では、2軸応力を考慮することができます。
② S造はり部材の詳細応力に対する断面計算
S造はり部材の詳細応力に対して断面計算が行えます。 プラント構造物のように複雑な荷重ケースの場合でも、実情に近い応力分布状態を想定した断面計算が行えます。 10等分位置・ハンチ位置・継手位置と荷重作用位置を考慮した最大100箇所で計算します。 ただし、結果は7区間に分けて出力します。
詳細応力で検討する場合の断面計算位置の例(10等分位置+荷重作用位置+継手位置)
算定計算
存在応力度に対して次の項目を算定します。
はり・柱部材では、同一断面ごとに必要な鉄筋量や鉄骨を集計することもできます。
| RC造 | はり、柱 | 主筋、せん断補強筋 |
|---|---|---|
| 壁 | 壁筋、開口補強筋 | |
| SRC造 | はり、柱 | 主筋、せん断補強筋、鉄骨寸法 |
| 壁 | 壁筋、開口補強筋 | |
| S造 | はり、柱 | 鉄骨板厚 |
| 木造 | はり、柱 | 断面せい |
出力機能多彩な出力機能で計算結果を容易に確認
正確な表示
入力した荷重の形に応じて、応力図、変位図、モーメント図、せん断力図、変位図を正確に表示します。
作用荷重
詳細変位図
詳細モーメント図
詳細せん断力図
応力とたわみ量
詳細応力図、変位図の表示で指定した部材上に集中荷重などがある場合は、作用点も含めて最大20カ所までの応力値、たわみ量を表示することができます。
応力線の2軸表示
2軸表示
応力線は2軸で同時表示され、半透明の塗りつぶしにより、重なった部分の応力状態も明確に把握できます。
剛域部分の応力は別の色で塗り分けられ、応力値は節点位置だけでなく剛域端の値も表示できます。
応力図の表示
層別合力+ねじり表示
応力図は曲げモーメント、せん断力、軸力を同時または個別に表示できます。
また、フレーム全体表示のほか、ビューブロックで登録したフレーム別や層別の表示が可能で、ツリーウィンドウで表示の切り替えが瞬時に行えます。
2軸での応力を考慮し、合力として表示することができます。
ねじりを円弧で表示し、3次元のモーメントの釣り合いを簡単に確認することができます。
反力を図で確認
支点反力図
支点反力をスケーリングして矢印で表示し、反力を図で確認することができます。
面要素
面要素
面要素は、すべての分割要素の主応力度を矢印で表示しますので、応力の流れを確認することができます。
3次元ソリッドモデルで確認
弾性応力解析結果を3次元ソリッドモデルで表示することができます。
表示は断面を複数に分割することや、材長方向に複数に分割し、それぞれの部分の応力度の大きさで色分け表示することで行います。
また、変位の表示を同時に行うことができるため、応力分布の確認が容易にできます。
応力分布(拡大図)
応力分布(全体図)
多様な表形式出力
各計算結果の詳細は、表形式で出力します。
表の値は、カンマ区切りのテキストファイル(CSV形式)に出力、クリップボードにコピーができ、Excelなどの表計算ソフトウェアやメモ帳などのテキストエディタなどに読み込み、貼り付けて活用することができます。
断面計算結果の出力形式は、要点をコンパクトにまとめた“標準出力”、長期・短期毎に計算過程が把握できる“詳細出力”、応力組み合わせ毎に計算過程が把握できる“応力組み合わせ毎の出力”から選択できます。
また、「判定がOKとなる部材とNGとなる部材」や「同一断面で検定比が最大となる部材とそれ以外の部材」に分類して、それぞれの出力形式と出力する断面計算位置の数を別々に指定できます。
標準出力(はり:3箇所で出力時)
詳細出力(はり:5箇所で出力時)
構造計算書
入力データ、弾性応力解析結果、固有値解析結果、偏心率・剛性率計算結果、断面計算結果を、図表に富んだグラフィック形式で、一括出力します。
CSV形式のファイルに出力して、表計算ソフトウェア(Excelなど)で利用することもできます。
| 表 | 断面リスト、荷重表、応力表、検定比表、断面計算結果詳細表 |
|---|---|
| 図 | 略伏図、略軸組図、荷重図、モデル化図、座屈長さ・横つなぎ材配置図、断面計算条件配置図、応力図、検定比図 |
断面リスト
略軸組図
応力図
荷重図
検定比図、算定図の出力
断面計算結果を検定比図(検定計算結果)、算定図(算定計算結果)として出力できます。
検定比図では、表示する検定比の最小値や、検定比の数値の大きさに応じた表示色を指定できるので、NGとなる部材やあと少しでNGとなる部材を一目で確認できます。
図上で詳細を確認したい部材を選択して、その断面計算結果を出力することもできます。
検定比図
算定図
CADデータ出力
モデル図、計算結果図、3Dモデラーは、CADデータとして出力することができます。
その他
コンソール上のバッチ処理Pro
起動する引数と入力ファイルを指定することで、ソフトウェアを起動することなく、弾性応力解析と断面計算を実行できます。
計算結果は加工が行いやすいように、プログラムで読むことを前提としたテキストファイル形式で出力されます。
CADデータより架構データの作成
各種CADデータを取り込み、架構データを作成できます。
準拠規準
建築基準法、同施行令などの建築構造に関する法令や、建設省・国土交通省告示および技術的助言、下記の基準類に基づいています。
法令に準じる基準等解説書
国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人 建築研究所 監修
その他の基準類
一般社団法人 新都市ハウジング協会
国土交通省 国土技術政策総合研究所
ステンレス建築構造設計基準作成委員会
一般社団法人 日本建築学会
他のプログラムとの連携
|
① CADファイル※1を読み込み、架構データを作成できます。
② モデル図、計算結果図、3DモデラーをCADファイル※2として出力できます。
③ 構造モデラー+NBUS7の解析モデルを読み込み、適用範囲を超える詳細な検討が行えます。
④ WOOD-STの解析モデルを読み込み、応力状態の確認や、部分的に詳細な検討が行えます。
⑤ SNAPに解析モデルを渡し、静的増分解析や動的解析を行えます。部材強度や履歴特性はSNAP側で入力します。
⑥ FEM-2Dに平面板要素、部材データと解析結果の節点変位を渡し、細部の変位や応力度分布を詳細に表示できます。
※1 対応形式:mps、mpz、mpx、mpw、mpp、dwg、dxf、jwc、jww、sfc、p21
※2 対応形式:mps、mpz、mpx、dwg、dxf、jwc、jww、sfc、p21
3Dモデルは、jwc、jwwで保存できません。
動作環境・価格
動作環境
価格
FAP-3 Pro Ver.7
バージョンアップ購入
※FAP-3 Ver.5以前のライセンスからのバージョンアップ購入は、営業までお問い合わせください。
FAP-3 Ver.7
バージョンアップ購入
※FAP-3 Ver.5以前のライセンスからのバージョンアップ購入は、営業までお問い合わせください。