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「2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」に対応、ほか
2018年2月9日
「2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」に対応
一般財団法人 日本建築防災協会発行の「2017年改訂版 RC造耐震診断基準」に対応します。主な改訂項目として、RC造診断基準による形状指標SDの算出方法や、そで壁付き柱の強度、靱性指標の評価法などがあります。
剛性分布の検討方法
2017年改訂版 RC造耐震診断基準では、形状指標SDの計算法をA法(診断基準)、B法(精算法)、C法(新しく提案された方法)として、いずれの方法も部材剛性を「割線剛性」で算出します。精算法では、従来通りの弾性剛性を選択できます。
また、(一社)東京都建築士事務所協会の「2017年改訂版 実務のための耐震診断マニュアル」で推奨されている計算も可能です。
部材剛性の割線剛性(K)
各部材の割線剛性 Kは、A法、B法、C法ともに次式に基づいて計算します。
そで壁付き柱の強度、靭性指標の評価法
2017年改訂版 RC造耐震診断基準による、そで壁付き柱のせん断終局強度は以下のように算定します。
そで壁付き柱のせん断耐力(Qsu)
Qsu2の算出方法が全面改訂となっています。
計算を高速化(保有水平耐力計算)
64ビット版 Windows対応※とマルチスレッド処理の追加により計算処理の高速化を実現します。
※ 快適にご利用いただくために、より高スペックのプロセッサを搭載したコンピュータ、並びにより多くのメモリ搭載(16GBを推奨)をおすすめします。
マルチスレッドに対応
解析内容 X、Y方向正負加力時保有水平耐力計算
計測に用いたパソコン CPU:Core i7-6700K、HDD:SSD
※1 建物形状や構造種別、計算条件により、解析時間は異なります。
2016年8月より64ビット版を公開し計算時間が短縮されていますが、今回のマルチスレッド対応により、さらに計算時間の短縮が可能になります。
現実の建物形状や材料により近づいた検討
扱うことができる建物形状や考慮する部材の状態、立体MNモデルでの解析機能を追加しました。これにより、現実の建物に近づけた耐震診断、補強検討を行うことができます。
S造部材の耐力算定式・F値
構造種別:SRC造
分類方法:柱SRC造、はりS造
柱がSRC造で、はりがS造の場合のはりの耐力、F値を考慮できるようになります。3次診断において、はりの強度及び靭性はS造として算出します。
中間節点の考慮
中間節点を生成する指定では、はり部材に中間節点を設けた鉛直ブレースや方杖補強の計算が可能になります。また、ベースプレート下面の部材要素も分けて検討が可能になります。
部材中間節点
K形・V形・マンサード形ブレース・方杖が取り付くS造はりや露出柱脚付きS造柱、根巻き柱脚付きS造柱に対して部材中間節点を自動的に作成し、正確な応力を得ることができます。
ただし、枠付き増設ブレースでV形、K形の場合は、中間節点は設けずX形に置換します。
はり部材の水平剛性の考慮
S造で屋根面ブレースがあり、剛床解除を行った場合にブレースが取り付かない節点は水平方向の拘束力が無くなり、解析が不安定になる場合があります。この指定により、解析が安定して求められます。
屋根面
S造仕口部のせん断変形の考慮
保有水平耐力計算のS造の応力計算が、より正確な変形より求められます。
RC造大ばりせん断強度のスラブ効果の考慮
はりの有効幅(be/b≦1.2倍)
はりのせん断終局強度の計算におけるスラブ効果は、SRC造はりの場合に指定により考慮していましたが、RC造はりの場合にも指定により考慮することができるようになりました。
保有水平耐力計算の解析モデルに立体MNモデルを追加
保有水平耐力計算で、立体MNモデルでの解析が可能になります。診断結果の部材強度は耐力式で計算するために手計算での確認が容易になります。
完全塑性理論の対応
そで壁付き柱の曲げ強度などは、耐力曲線が連続する完全塑性理論式による計算ができるようになります。
壁のMNインタラクションの表示
壁の応力と強度の確認が容易になります。
壁筋の計算ではり配筋を考慮
壁のせん断終局強度の計算時に、はりの鋼材も考慮することが可能になります。
M/(Qd)の下限値0.6の指定が可能
2001年改訂版 RC造診断基準を選択する場合は、壁付き柱・はりのM/(Q・de)は建築振興協会診断マニュアルの下限値0.6に対応します。また、2017年改訂版 RC造診断基準の指定では、そで壁付き柱のQsu2のM/Qdwは下限値0.5として計算します。
計算結果履歴管理
設計条件、解析条件などを変更した結果を10通りまで保存することができます。
計算結果の比較
計算結果画面を分割して現在使用中の入力データ①の結果と履歴管理された計算結果②を同時表示して比較できます。
計算結果の比較
計算結果履歴の管理
計算結果履歴の管理
各計算結果の履歴には計算実行時の入力データファイルも保存されており、「計算結果履歴の管理」からその入力データを簡単に復元することができます。