フォーラム概要


Day1 10月19日(火)

建築のサステナビリティ ~ SDGsへのアプローチ ~

100年、200年と時代とともに生きる建築の価値やそれを支える技術・デザインについて、意匠、構造、FMの視点から考えてみたい。

  • 挨拶

    安田 正弘 株式会社構造システム 代表取締役社長




  • D1T113:05 - 14:10


    免震技術で大震災の起きない都市の実現を目指して

    免震構造はこれまでの大地震でその性能を十分に発揮し、構造体の被害のみならず室内の家具の転倒なども起きていない。 1995年の兵庫県南部地震以降、免震構造は増加傾向にあるものの、その数はまだ少ない。 構造設計者へのアンケートを実施し、免震建物が広く普及しない要因として①耐震性能への理解、②免震・制振構造の啓発、③費用対効果、④建築主へのインセンティブが課題であることがわかった。 日本学術会議の提言「大震災の起きない都市を目指して」(2017年)でも免震・制振構造などのより高い耐震性をもつ建物の活用、レジリエントな社会の実現を求めている。 今後は、免震技術をさらに高度化するとともに、個々の建物だけでなく街全体を免震化できるようにしたい。

    高山 峯夫 氏

    高山 峯夫 氏  タカヤマ ミネオ

    福岡大学 工学部建築学科 教授

    1960年 福岡県生まれ
    1982年 福岡大学工学部卒業
    1986年 東京大学大学院修了後、福岡大学にて免震構造の実用化に取り組む
        免震構造は大地震でも建物とその内部に被害は生じさせない。免震構造の
        実現に欠かせない積層ゴムの実大破壊実験、有限要素解析に取り組み、
        積層ゴムの優れた荷重支持性能のメカニズムを解明する。
        その成果により1998年日本建築学会奨励賞受賞。
        免震構造だけでなく地域やまちの災害リスク低減をする方策の研究にも
        力をいれている。
        専門は建築構造、免震構造。

    ■著書
    • 4秒免震への道(理工図書)
    • 耐震・制震・免震が一番わかる(技術評論社)

    ■受賞
    • 1998年 日本建築学会奨励賞受賞







  • D1T214:25 - 15:30


    SDGs履行定量化媒体としてのBIM
    ~ 建築物運用時における性能評価の標準化 ~

    異常気象・自然災害の頻発、新型コロナウィルス感染拡大など持続可能性への脅威が続いており、SDGsの履行は待ったなしの状況である。建築物は大量のエネルギー消費に伴うCO2排出(日本では直接的に40%)や、人間が過ごす生涯時間の80%を占める建築空間内における心身への健康影響など、SDGsに関連する要素・影響は多岐にわたる。
    しかしながら、既存のグリーンビル等の評価認証システムは設計性能が主たる対象であり、竣工後の運用時性能の定量化・標準化が立ち遅れている。その最大の原因として考えられることは建築物運用データの未活用にあり、その標準化が求められるところである。BIMはデータと空間的位置・部材・機器等を繋ぐことが可能となるため、データ活用・標準化を実現するプラットフォームとして期待される。
    本講演では実例を踏まえつつ建築物運用時の問題点をレビューしつつ、SDGs実現に向けたBIMプラットフォームの可能性について述べる。

    一ノ瀬 雅之 氏

    一ノ瀬 雅之 氏  イチノセ マサユキ

    東京都立大学 都市環境学部 建築学科 准教授

    東京都立大学博士課程修了・博士(工学)
    東京理科大学・東京大学での助教職を経て2013年から現職。
    専門は建築環境・建築設備。

    主たる研究活動は既存建築物の環境性能検証であり、関連するグリーンビル・ウェルネス評価システムの国際比較・標準化に携わっている。 その延長線上として、最近ではBIMを介した建築物環境性能評価システムの構築に取り組んでいる。

    ■受賞
    • 2011年 日本建築学会奨励賞
    • 2012年 空気調和・衛生工学会学会賞技術賞
    • 2017年 ASHRAE Technology Award, First Place
    • 2018年 空気調和・衛生工学会学会賞技術賞
    • 2021年 空気調和・衛生工学会学会賞技術賞







  • D1T315:45 - 16:50


    整理することについて

    さまざまな課題を整理することで新鮮さをつくりだすということについて、近作を通じてお話します。

    講演内容を少しだけご紹介

    西澤 徹夫 氏

    西澤 徹夫 氏  ニシザワ テツオ

    株式会社 西澤徹夫建築事務所 代表取締役

    1974年 京都府生まれ
    2000年 東京藝術大学美術研究科建築専攻修了
    2007年 西澤徹夫建築事務所開設

    ■主な作品
    • 東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーリニューアル(2012年)
    • 京都市京セラ美術館(2019年)
    • 八戸市新美術館(2020年)
    • 「Re: play 1972/2015―「映像表現 '72」展、再演」展(2015年、東京国立近代美術館)
    • 「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展(2019年、ポーラ美術館)
       ほか展覧会会場デザイン多数

    ■受賞
    • 2020年 京都建築賞、AACA最優秀賞
    • 第62回毎日芸術賞、優秀建築選
    • 2020年 JIA日本建築大賞
    • 2021年 日本建築学会賞(作品)受賞







  • エピローグ

    安田 正弘 株式会社構造システム 代表取締役社長





Day2 10月20日(水)

BIMワークフローの進展 ~ デジタルデザイン、申請、運用まで ~

BIMなどデジタルによる変革は建築ライフサイクルのすべての局面を変えていくことは明らかです。デジタルアーキテクチャの最新プロセスを事例から探る。

  • 挨拶

    千葉 貴史 株式会社建築ピボット 代表取締役社長




  • D2T113:05 - 14:10


    KKAAの問題解決型デジタルデザイン

    事務所開設当時から、積極的にコンピュータの導入を進めてきたKKAAこと隈研吾建築都市設計事務所。場所、素材、身体との対話をするのにKKAAで行っている様々な方法のデジタルツールの使用法を紹介する。幾何学、物性、シミュレーション、BIMなど多岐にわたるが、根底にあるのは、問題を解決のためにいかにコンピュータを使うかという姿勢である。

    隈 太一 氏

    隈 太一 氏  クマ タイチ

    隈研吾建築都市設計事務所 取締役 / 建築家

    1985年 東京生まれ
    2014年 シュツットガルト大学マスターコース修了
    2016年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了
    2017年-2020年 SHoP Architects(NY, USA)勤務
    2020年- 隈研吾建築都市設計事務所







  • D2T214:25 - 15:30


    BIMのデジタル情報と法適合判定プログラムによる確認申請事前協議を実施 ~ BIM 確認申請の仕組みづくりと実案件での構造設計の取り組み ~

    清水建設は、公的な動向(標準化・法改正など)に先行して、法規制情報をもつBIMモデルを確認申請に利用することを目指し、日本建築センターと2019年6月から協議を始め、デジタルデータを確認申請書の代替として提出することを想定して「データの原本性」「情報の真正性」「情報の長期見読性」の3つの基本方針を担保する技術の開発に着手し、総合病院新築工事(鉄骨造一部CFT造、7階建、延床面積約17,000m2)の確認申請事前協議を実施した。
    構造設計においては市販プログラム(BUS-6+RevitOp)を活用し、中間ファイルを介さずにRevitモデルとデータを共有する構造計算モデルとBIMモデル間の「データの原本性」の担保することで、審査期間の短縮を実現した。

    齋藤 利昭 氏

    齋藤 利昭 氏  サイトウ トシアキ

    清水建設株式会社 設計本部 設計技術部 主査

    1988年 横浜国立大学大学院工学研究科計画建設学専攻博士課程前期修了
     同 年 清水建設株式会社に入社 設計本部 構造設計部
    2016年  同 設計本部 設計技術部

    ■主な担当案件
    アミティエ新大阪、清水建設技術研究所新本館、カルピス本社ビル、東京建設コンサルタント新本社ビル、学研本社ビル、青山OM-SQUARE、大阪富国生命ビル、中央合同庁舎第8号館

    塚本 浩 氏

    塚本 浩 氏  ツカモト ヒロシ

    清水建設株式会社 設計本部 デジタルデザインセンター

    2010年 芝浦工業大学大学院建設工学科修了
    2014年 清水建設株式会社に入社 設計本部 構造設計部
    2020年  同 設計本部 デジタルデザインセンターにてBIMの開発・推進に取り組む

    ■主な担当案件
    松戸市立総合医療センター、町田学園2号館、緑雲寺本堂・客殿・庫裡、片瀬江ノ島駅、誠成公倫田園調布、虎ノ門麻布台B-2街区、随応寺







  • D2T315:45 - 16:35


    維持管理で活用するBIMの取り組みについて

    竹中工務店では、建築主・設計者・施工者にとってメリットのあるオープンBIMを展開しています。お客様への付加価値提供を実現する取り組みとして、維持管理でのBIMの活用について、お話させて頂きたいと思います。

    最上 佳彦 氏

    最上 佳彦 氏  モガミ ヨシヒコ

    株式会社 竹中工務店 BIM推進室 副部長

    1992年 東京都立科学技術大学(現:東京都立大学)卒業、株式会社竹中工務店入社。FM部門において、お客様のファシリティマネジメント支援業務に従事。現在は、BIMの維持管理段階への活用に携わっている。







  • エピローグ

    千葉 貴史 株式会社建築ピボット 代表取締役社長








Day3 10月21日(木)

デジタル技術の新潮流 ~ クラウド・AI・IoT ~

近年のIT技術の進歩は目覚ましいものがあります。それまでは難しかった高度な解析はもちろん、クラウド技術や機械学習などによるAI、IoTの活用が挙げられます。それら最新デジタル技術の動向を見てみたい。

  • 挨拶

    柴田 英昭 株式会社FMシステム 代表取締役社長




  • D3T113:05 - 13:40


    BIMを活用したFM支援ソリューションのご紹介
    ~ 新しい3Dモデルの活用提案 ~

    東電設計では、既設大規模施設の維持管理に向けてBIMを活用し、情報の可視化と共有化で、建物のライフサイクル管理に取り組んでおります。

    佐藤 浩二 氏

    佐藤 浩二 氏  サトウ コウジ

    東電設計株式会社 DX事業推進室 デジタルソリューショングループ

    設計と保全関連業務を行いながら3DCADやBIM推進に関わり、建築本部建築設計部からDX事業推進室発足し現在に至る。






  • D3T213:40 - 14:10


    統合ワークプレイスマネジメントシステム「PLANON」が日本へ進出
    ~ 海外の最新FMイノベーションをご紹介 ~

    統合ワークプレースマネジメントシステム(IWMS)は、企業の不動産ポートフォリオやインフラ、設備資産の管理など、職場資源の利用を最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。
    この度、PlanonはFMシステム社とパートナーシップを結びIWMSを日本で展開していきます。
    本講演ではPlanonの紹介をはじめ、ファシリティマネジメントのグローバルリーダーであるPlanonの最新情報をお届けします。

    Pierre Guelen 氏

    Pierre Guelen 氏  ピエール ギュレン

    PLANON 創業者兼CEO

    Erik Jaspers 氏

    Erik Jaspers 氏  エリック ヤスパー

    PLANON グローバルプロダクト戦略ディレクター







  • D3T314:10 - 14:40


    次世代FMの新潮流
    ~ FM業界が直面するデジタルトランスフォーメーションとは? ~

    近年注目されているDX:デジタルトランスフォーメーションですが、実際に経営に生かせている企業はまだ、多くありません。そもそもDXとは何をすることなのか。またはただのバズワード(流行り言葉)でしょうか。
    本講演ではFM業務及び経営におけるデジタル化の最新動向やDXを実践していくことでファシリティマネジメントビジネスが近い未来にどう変革されていくのかを紐解いて解説していきます。

    本講演を聞いて頂ければ、ひと味違ったFMビジネスの未来が見えるかもしれません。

    千葉 友範 氏

    千葉 友範 氏  チバ トモノリ

    EYストラテジー アンド コンサルティング ビジネス トランスフォーメーション ユニット ディレクター

    大学院在学中より産学官連携によるソフトウェアベンチャー立ち上げに参画後、会計系コンサルティングファーム、IoTベンチャー企業の役員のほか、AIやブロックチェーンベンチャー企業の顧問などを務め現職。
    近年は、先進的な技術を活用した新規事業・サービスの開発やUXデザインを活用した行動変容などをテーマに「ヒトとテクノロジーの融合」をテーマに多数のプロジェクトを牽引。
    2019年から次世代FM経営をテーマにJFMA会員としてフォーラムでの講演やジャーナルへの寄稿などを実施。







  • D3T414:55 - 16:00


    山下PMCのイノベーション戦略と2つの取り組み
    ~ 建築をもっと楽しく!情報を経営の武器に! ~

    本講演においては、山下PMCがなぜIT投資を行うのか。その社会的な意義は何か?さらに、イノベーション戦略室が掲げるアライアンス&コラボレーションと言った全体戦略、具体的なサービスとしてローンチした2つのサービス(BEAMapとb-platform)について説明いたします。
    また、2つのサービスについては、【建築をもっと楽しく!情報を経営の武器に!】がメインコンセプトですが、これらのコンセプトを実現するための取り組みとして、主に下記の内容について掘り下げた説明をしたいと思います。

    1.ターゲットとするユーザー像
    2.サービスの特徴と基本機能
    3.今後の開発の考え方 等

    木下 雅幸 氏

    木下 雅幸 氏  キノシタ マサユキ

    株式会社 山下PMC 取締役専務執行役員 CIO(最高イノベーション責任者)

    神戸大学大学院工学研究科建築学修了。
    大手建築設計事務所で大型プロジェクトの設計業務に従事。 その後、生命保険会社の不動産投資グループに転職。 ビル全体のCRE戦略の構築に加え、事業性の検証と新規開発、リーシング、バリューアップ等、アセットマネジメント全般に従事。 2010年に山下PMCに入社し、ビジネスモデル創出型のサービスを展開。 スポーツ、学校、オフィス等、多数の大規模プロジェクトを担当。 プレゼンテーションの勝率9割の実績を持つ、山下PMCのトップ・マネジャーとして活躍。







  • D3T516:15 - 16:45


    FM-Integrationのご紹介
    ~ デジタルハンドオーバーによる情報活用 ~

    FM-Integrationは「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に、情報をつなぐ」をコンセプトにした統合FMプラットフォームです。
    本講演ではFM-Integrationのご紹介と今後の取組みやデジタルハンドオーバーによるFMの情報活用をご紹介いたします。

    柴田 英昭

    柴田 英昭  シバタ ヒデアキ

    株式会社FMシステム 代表取締役社長







  • エピローグ

    柴田 英昭 株式会社FMシステム 代表取締役社長