開発コラム ライトの設定 影係数について
  • Last Updated 2019/07/03

開発コラム 影係数について (ライトの設定)

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影係数について

影係数とは光が物体を透過する力がどのくらいあるかを設定するためのパラメータです。
これは影の部分の単調さを補うために用意されています。
DRA-CADのレンダリングでは間接光の効果を計算しませんので 影の部分の明暗が一様になってしまい、単調な印象を与えます。
現実の世界では多くの場合、陰の部分にも反射や散乱などの2次光源からくる間接光が到達しますので、
影全体が同じ暗さにはなりません。
例えば、影係数を0.8にすると、ある物体について他の物体が光を遮っても0.2は光が届くことになります。
暗い光の場合でも、光の当たる角度などによって面の明るさは変わりますので、「影」の部分でも明暗に変化がつきます。
ただし、その明暗は実際の間接光による物とは異なりますので場所によっては不自然な感じになります。
影係数は、光が当たらない部分をある程度明るくする事によって レンダリングの結果を現実のイメージに近づけるために使います。
その意味では、「環境光の実例」 とよく似ています。
ただし環境光は材質単位で設定され、 設定された材質の全てについて均等に明るくなるのに対し、
影係数はライトごとに設定され、影の部分についてのみ効果を及ぼします。
また光を透過する点では、材質の透過率と似ていますが、
材質の透過率は物体の後方にある他の物体の像も透過するのに対し、
影係数は照明(DRA-CADのライト)の光だけを透過する点が違います。


影係数(と環境光)による間接光の表現

全ての材質の環境光

0.0

0.3

影係数

1.0

0.8

0.5

0.2

注:本コラムはDRA-CAD11 Ver.11.0.1.7 時点での機能を紹介しています。
その後のバージョンでは変更されている場合もありますのでご了承ください。