構造の最適化技術と構造BIMの最新動向
近年、建築の分野においても最適化手法の実務設計への応用事例・研究動向が注目されています。また、BIM(Building Information Modeling)を活用した構造設計や確認申請の効率化を目指す取り組みも増えてまいりました。構造フォーラムでは、構造の最適化技術とBIMの最新動向を取り上げて今後の建築構造の可能性を考えてゆきたいと思います。
-
挨拶
加藤 准一 株式会社構造システム 代表取締役社長
-
「最適化と構造形態の創生」
Optimization and Structural Morphogenesis
設計行為は最適化過程そのものである。設計解は様々な制約条件の下、試行錯誤を繰り返しながら追跡することになる。本講演ではこのような最適化過程に対し、コンピュータ利用の考え方を解説する。最適化の手法は数理計画法と発見的手法に分け、単一目的最適化及び多目的最適化の計算スキーム・アルゴリズムを説明する。最適化では目的関数と制約条件が重要であり、大域的最適解(パレート最適解)と優良解の位置づけを明確にして、例題を通して構造形態の創生の概要と意義について話をする。
CPD認定済
【CPD認定】プログラムID:00290955
本間 俊雄 氏 ホンマ トシオ
鹿児島大学 学術研究院理工学域工学系 教授
1979.03 日本大学生産工学部数理工学科 卒業
1981.03 日本大学大学院生産工学研究科 博士前期課程建築工学専攻 修了
1986.03 日本大学大学院理工学研究科 博士後期課程海洋建築工学専攻 修了
工学博士 「日本大学工博甲第1542号」
■職歴
- 1986.10 フジタ工業株式会社採用(現社名 株式会社フジタ)/入社 技術開発研究所所属(~1998.09)
- 1998.10 国立大学 鹿児島大学 工学部 建築学科 建築構造構成学講座 文部教官 助教授
- 2004.04 国立大学法人 鹿児島大学 工学部 建築学科 教員・助教授(2007.4~准教授, 2007.9~教授)
- 2009.04 国立大学法人 鹿児島大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 教授 配置転換
- 2015.04 国立大学法人 鹿児島大学 学術研究院理工学域工学系 教授 配置転換
(2017.4~学術研究院理工学域長(理工学研究科長))
■受賞
- 1993.11 第 9回NICOGRAPH論文コンテスト入賞(佳作)(日本コンピュータグラフィックス協会)
論文「ステアリング的機能を考慮した膜構造物の初期設計支援可視化システム」
- 1994.11 第10回NICOGRAPH論文コンテスト入賞(佳作)(日本コンピュータグラフィックス協会)
論文「骨組構造の動的応答解析結果に関する設計支援可視化システム」
- 1997.09 日本建築学会 奨励賞(日本建築学会)
論文「減衰を考慮した非保存性外力を受ける弾性棒の動的安定解析」
- 2011.05 日本膜構造協会 特別論文賞(日本膜構造協会)
業績「有限要素法による膜構造の解析と最適化に関する一連の研究」
- 2014.05 日本建築学会 学会賞(論文)(日本建築学会)
業績「構造形態の解析と創生に関する一連の研究」
-
最適化手法を用いたトータルデザインとは
パラメトリックデザインツールの普及に伴い、建築分野において有機的なデザインが身近なものになりました。ここでは、そのような有機的なデザインを実現するための解析技術、最適化の技術、設計から製作までの情報の取り扱いについて、幾つか事例を紹介します。
CPD認定済
【CPD認定】プログラムID:00290956
後藤 一真 氏 ゴトウ カズマ
Ove Arup & Partners Japan Ltd. 構造エンジニア
2008年 慶應義塾大学理工学研究科 開放環境科学専攻 修了
2008年 Arup 東京オフィス 入社
2014年 Arup ロンドンオフィス 勤務
2017年 ~現在 Arup 東京オフィス 勤務
■主な担当物件
ほうとう不動、六甲枝垂れ、東北大学片平キャンパスレストラン、Seto、ましこ道の駅、台湾タワー、ミラノ万博日本館木質格子、21世紀美術館アートワーク 等
-
BIMデータ連携による構造設計のイノベーション
生産性向上を目的に構造設計のBIMデータ連携に10数年取り組んできました。計算モデルとBIMモデル、BIMモデルと確認申請、BIMモデルと製作モデル、様々なデータ連携を考えている構造のBIMデータ連携ですが、BIMによるメリット、デメリットと今後の課題を提示し、BIMを利用した構造業務を進める際に必要な事は何かをご紹介します。
CPD認定済
【CPD認定】プログラムID:00290957
佐脇 宗生 氏 サワキ ムネオ
清水建設株式会社 建築総本部設計本部 デジタルデザインセンター
1984年 清水建設株式会社 設計本部に入社、構造設計に携わる
2001年 生産設計部、設計技術部、デジタルデザインセンターにおいて
生産改革、BIMの開発・推進に取り組む
-
構造BIM実用化への取り組み「BUS-6 +Revit Op.のご紹介」
昨年10月に、BIMソフト「Autodesk Revit®」と一貫構造計算ソフト「BUS-6」のダイレクトリンクを実現する「+Revit Op.」をリリースしました。
この1年の間に、ご要望の対応を含む多くの機能拡張を行い構造BIMの実用化に取り組んできました。
本講演では、機能拡張の内容と実用化に向けた取り組み事例として大和ハウス工業・市川氏によるクラウド上のRevitプロジェクトとBUS-6、+Revit Op.によるデータ共有をご紹介いただきます。
市川 翔太 氏 イチカワ ショウタ
大和ハウス工業株式会社 技術本部 BIM推進部 BIM標準推進1グループ
田中 志のぶ タナカ シノブ
株式会社構造システム 開発部門