コラム クロソイドの計算と作図
  • Last Updated 2013/04/26

開発コラム クロソイドの設計と作図

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クロソイドの定義

クロソイドは、R=曲線半径、L=曲線長とすると
 
という式で定義され、このときのAをクロソイドパラメータと言います。
R、L、Aのうち2つがわかれば他の1つは簡単に求められます。
言いかえれば、R、L、Aのうちの2つを決めればクロソイド曲線を作図することができます。
※会員専用プログラムの 「AS-車の旋回軌跡コマンド」 では「RとL」によってクロソイド曲線を指定しています。


クロソイドの要素と略号


略号説明

略号

説明

略号

説明

略号

説明

IA

交角

YM

M点のY座標

法線長

内接円の半径

P点のX座標

X+V

クロソイドパラメーター

P点のY座標

LC

円弧の長さ

クロソイド曲線長

σ

P点の極角

TC

0-IP間距離

τ

M点の接線角

So

動径

TC-W

dR

移動量(シフト)

TK

短接線長

XM

M点のX座標

TL

長接線長


クロソイドの種類

基本型

凸型

S型

卵型

複合型

ループ型

※上図の基本型や凸型にはクロソイドA1とA2の長さが違場合、「非対称基本型」「非対称凸型」となります。


パラメータと半径の目安

許容最大遠心加速度変化率から認めた許容最大パラメータおよび推奨値

高速道路の場合

道路構造令の条件

道路構造令の例外の条件

V

(km/h)

p=0.345m/sec3

p=0.6m/sec3

p=0.775m/sec3

A=1/4*√V3

推奨値

A=0.19*√V3

推奨値

A=1/4*√V3

推奨値

160

506

500

384

400

---

---

140

414

400

315

300

---

---

120

329

325

250

250

---

---

100

250

250

190

200

---

---

80

179

180

136

150

119

120

70

---

---

111

110

98

100

60

---

---

88

90

78

80

50

---

---

65

65

57

60

35

---

---

39

40

35

35

V:設計速度 p:遠心加速度の変化率  クロソイドポケットブック(*1)より

ドイツの経験法則によると基本型の場合、半径Rの1/3~1/1に入るパラメータのクロソイドを使うことが望ましいとされています。
また、設計速度に対して [1/4*√V3]以上のパラメータのクロソイドを使うことが視覚上望ましいとされています。
例えば、高速道路で設計速度100km/hを想定した場合、パラメータの推奨値は250です。
A≦R≦A×3を満たす半径Rは 250~750となります。
尚、以上の数値はあくまでも目安であり、実際の設計ではこの数値にこだわらなくても構いません。

(*1)クロソイドポケットブック:(社)日本道路公団 クロソイドポケットブック(改訂版)