BUS−2.5 Q&A集
目次  

Q.427

部分地下があるときに支点位置の変更(BLBレコード)を行いますが、この
場合に水平ばねはどのように設定したらよいですか?
 

A.

モデル化としては一般の支点は鉛直、水平には剛、回転には自由(ピン)とな
っていますが、位置を変更した支点は水平方向にも自由(ローラ)となります。
部分地下の為に位置を変更した基礎は地盤と接していますから実際は水平方向
に自由ではなく、むしろある範囲(基礎と地盤との摩擦抵抗がある)までは剛
の状態にあります。しかし、位置変更した支点を水平方向に剛とすると、その
層の層せん断力は全て支点で負担し、柱は全く水平力を負担しなくなります。
コンクリートの基礎フーチングと地盤との摩擦係数は0.4〜0.5の範囲といわれ、
安全率は1.5程度を推奨されています。したがって、基礎に作用する軸力の0.27
〜0.33倍の水平力は剛としてその基礎で負担できますがこの値を超えると基礎
は滑動することになり剛から自由の状態に変わります。柱の負担水平力がなく
てこの状態になるのを避ける為には、位置を変更した支点に水平方向のばねを
設け部分地下の柱も適切な水平力を負担する様にしなければなりません。
水平ばねの値を大きく設定すると柱の負担水平力は小さくなり、水平ばねを小
さく設定すると柱の負担水平力は大きくなります。
一般には部分地下の標準柱を基準にして水平ばねの値を決める例が多い様です。
すなわち標準柱の横力分布係数に共通の単位12EK/(h*h)〔s/(p*p)浮乗じ
たものをとります。フレーム柱の曲げ、せん断を考慮した横力分布係数の計算
については建築学会のRC規準付14を参照して下さい。
例として階高400p、標準柱の断面60p角、柱頭につながるはりの断面40p*80
p、柱脚につながるはりの断面40p*100pの場合をしめします(図427)。
この例では水平ばねの剛性を標準柱と同じと考えればその値は32t/pとなり
ます。
水平ばねを与えることにより、移動各支点は水平力を負担しますが、移動支点
位置の基礎と土の摩擦力が、負担した水平力より大きいことを一応確認して下
さい。
 
 

 
C:60cm×60cm
2G1:40cm×80cm
1G1:40cm×100cm
 
KO = 103
KC = 2.7
K2G1 = 5.6    a = 0.756
K1G1 = 11.1
 
D = a・hC = 2.04
              12EK
剛度の実数DA)= 2.04 ×  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ = 32.13 ×103 s/p
               h2
       = 32.13 t/p
 
図427