構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。
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事例レポート
<< 木造軸組工法による大規模木造の構造設計


長期優良住宅の「耐震性」認定を取得 耐力壁の最適な配置が検討できたHOUSE-ST1
  •  いのはな設計一級建築士事務所は、住宅設計と構造設計の二つの業務を柱として活動され、住宅設計では、構造設計で培った経験をベースに、意匠と構造を両立させたデザインを得意としています。構造設計では、規模を問わず木造、RC/S造のルート1~3による耐震設計を扱われています。
     2016年7月に『HOUSE-ST1』を導入し、活用されている鈴木宏昌氏にお話を伺いました。




導入経緯


鈴木宏昌 氏
いのはな設計一級建築士事務所
鈴木宏昌 氏


いのはな設計一級建築士事務所
設立
2015年1月
代表者
鈴木宏昌
所在地
東京都練馬区田柄4-16-16-A6
URL
https://enoughana.com/

HOUSE-ST1 画面
HOUSE-ST1 画面
イエガタノイエ 外観写真
イエガタノイエ 外観写真
  •  「事務所設立前において一貫構造計算ソフト『BUS-5(現:BUS-6)』や振動解析ソフト『SNAP』を使用した経験があり、データ入力の手軽さや手厚いサポートなど、構造システムに対して高い信頼を寄せていました。
     また、木造の構造設計については、ほかのメーカーも本腰で取り組んではいない状況であり、その中で構造システムは先駆けて木造のソフトを開発していると思います。
     以上から、構造システムのHOUSE-ST1を選ぶに至りました。」


事例 個人住宅「イエガタノイエ」で耐力壁の検討


  •  「この物件は木造2階建ての個人住宅です。規模的には4号建築物になりますが、長期優良住宅認定を取得したいという施主の要望から許容応力度計算により部材の断面決定や金物選定をしています。
     外壁には面材耐力壁、内壁には45×90mmのたすき掛け筋交を使用して耐震等級3を取得しています。2階床は28mm構造用合板、屋根は垂木に転び止めを設けた12mm構造用合板を用いて水平剛性を確保しています。
     2016年に起きた熊本地震の直後に設計していましたので、上下階の耐力壁の連続性や偏心率には注意を払い、上下水平ともにバランスのよい構造としています。1階ではLとDKをずらして吹抜・中庭に面する平面形としています。
     このプランにどのように耐力壁を配置するか、という点が構造設計しているときには一番悩みましたが、HOUSE-ST1では壁の配置をスムーズに行うことができ、何度も計算を回して最適な壁配置を検討できました。
     また、建物形状や部材配置が3Dモデルで表示されるため、応力状態を立体的に把握できました。操作方法が一貫構造計算ソフトに類似しているので、一貫構造計算ソフトの扱いに慣れた方なら非常に取り組みやすいソフトであると言えます。」


モデルの多様性について機能拡張を期待


  •  「昨今の木造建築物は在来軸組工法と呼ばれる従来の架構ではイメージできないものが少なくありません。
     例えば、勾配天井にして小屋裏をそのまま室内空間に取り込むプランの場合、現時点のHOUSE-ST1では、荷重拾いのための勾配付き小屋梁しかモデル化できません。そのため、水平面で大梁をモデル化し、次に勾配面の水平耐力を『木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)』で示された方法で計算し入力します。その上で、勾配分の荷重や柱の座屈長さを手計算で補正して計算書としてまとめます。
     勾配水平面がモデル化できるようになるとさらに利便性が増すと思います。」


BIMとの連携にも期待


  •  「当事務所では自由な立体表現ができ、グラフィック精度を重視したBIMソフトを導入しております。
     構造ではIFC形式によるデータの互換利用が進んでいますので、BIMで柱・梁・壁をモデル化して、HOUSE-ST1にIFC形式で流し込み計算する仕組みができると、より作業がスムーズになると思います。この方面への開発も期待しています。」


意匠と構造のコラボレーション


  •  「意匠設計ではプランニングやデザインのことに没頭してしまい、構造的な問題を置き去りにすることがあります。逆に、構造設計ではエンドユーザーの使い勝手よりも物理的な問題に没頭しがちです。
     BIMの普及や構造計算ソフトの立体モデル化で、意匠も構造も3Dモデルを通してお互いの意思疎通を図る時代になってきました。
     IFCのようなデータの互換利用がますます発展し、意匠・構造(設備も)のコラボレーションがスムーズになることを期待するとともに、構造システムにはそのような流れに沿った開発を進めてもらえるようお願いします。」

    イエガタノイエ
    意匠・構造設計:いのはな設計一級建築士事務所
    建築面積:80.98m2 延床面積:147.71m2


<< 木造軸組工法による大規模木造の構造設計


  • 簡単な操作と豊富な自動計算機能
  • HOUSE-ST1は、木造軸組工法の構造計算を行うソフトで、3階建てのほか、2階建て以下、混構造の木造部分の計算を行います。伏図、軸組図、3Dのいずれでも入力・編集ができるほか、CAD図面を下図にして入力できます。上部構造から基礎構造(べた基礎、布基礎)までの一連計算を行います。住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づいた構造の安定に関する計算も行いますので、長期優良住宅の「耐震性」認定にも利用できます。N値法や告示、N値計算法に準拠した方法による金物選定計算ができます。グラフィカルな出力で確認しやすく、確認申請用の構造計算書または品確法の形式で出力します。

    準拠基準等:
    (公財)日本住宅・木材技術センター企画発行「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)」ほか

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