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事例レポート
中・大規模木造建築物の新しい可能性を創造 操作性とデータリンク機能を評価されたFAP-3
  •  株式会社タツミは、住宅用接合金物のパイオニアとして、接合金物の製造、販売からプレカットによる木造躯体加工を通じて木造建築の安全性向上に貢献されています。2012年に中規模木造に対応するべく、開発のスタートに伴い「FAP-3」を導入され、開発から実施設計まで幅広くご活用いただいています。商品開発課の實成康治氏にお話を伺いました。




操作性を重視してFAP-3を導入


實成康治 氏
株式会社 タツミ
實成康治 氏


株式会社 タツミ
設立
1983年1月
代表者
山口紳一郎
所在地
新潟県三条市中新32-13
URL
http://www.tatsumi-web.com/
  •  「中規模木造に対応できる接合金物の開発にあたり、トラスやブレースなど軸力系の架構形式を、S造と同じように応力解析によって設計できるようにしたいという狙いがありました。このため、開発段階からFAP-3を導入し、実験結果と解析結果の整合を検証しながら開発を進めてきました。木造は接合部を一点に集中することが難しく、S造に比べ、きめ細かいモデル化が必要となるため、優れた操作性のFAP-3を選択しました。また、接合部の拘束条件も軸方向バネやせん断方向バネなど細かな条件で解析を行う必要がありますが、この点においてもFAP-3は対応しており、実験結果の検証に非常に役立ちました。」


CADデータ等の活用でモデルの作成を省力化


  •  「2013年6月に中規模木造対応接合金物として『テックワン・P3プラス』をリリースし、現在FAP-3は主に実施設計で活用しています。実施設計においても木造ではS造のように構造芯をつなぐようなシンプルなモデル化ではなく、接合金物の配置に応じて応力の伝達経路を想定しながらのモデル化が必要になりますので、モデルの入力しやすさや応力状態の確認のしやすさが重要になります。この点においてもFAP-3の操作性の良さは大変助かっています。フレームのモデル化を行う場合、以前はCAD上で寸法を拾って座標入力していましたが、FAP-3ではCAD上でフレーム詳細図に解析芯を作図したデータを直接読み込めるので非常に効率的です。
     図1は2013年12月に上棟したスパン12mの遊戯室を有する保育園の実施設計の際の応力図です。当社の『テックワン・P3プラス接合システム』では接合金物も一部モデル化する設計方法となっていますが、CADデータから解析芯を読み込めれば、このような細かなモデル化のストレスがありません。

    図1 FAP-3 応力図表示
    図1 FAP-3 応力図表示 (テックワン・P3プラス)

     木造のフレームを応力解析する場合、接合部剛性を無視してしまうと、実際の架構と大きく異なった解析結果となるため、実験によって確認した接合部剛性を評価しながら解析を行いますが、FAP-3では立体モデルとすれば6軸に対しての拘束条件を自由に設定できるのが良いです。以前使っていた解析ソフトでは材端の軸方向バネなどが定義できなかったので、ブレース構面などを解析する場合は、材端の接合部剛性とブレース材の軸剛性を手計算で直列バネとして合成して解析していたので、非常に手間がかかっていました。
     部材データや、接合部の拘束条件などはスプレッドシート形式で入力でき、Microsoft Excelから直接貼り付けることができるので、Microsoft Excelでひな形を作っておけば、新しいモデルを作る際にその都度入力する必要がないので効率的ですし、ケアレスミスも防げます。
     応力解析の結果を構造計算書にまとめる際も、細かくモデル化しても出力の結果が見やすく、確認しやすいので、審査機関からの質問も少なく、この辺りも助かっています。
     解析ソフトの操作性が悪かったり、出力が見づらいと細かなモデル化がやりにくく、ザックリと安全側にという感じでモデル化することになりがちですが、応力の流れをイメージしながら丁寧なモデルをストレスなく作れるので、設計していても安心できるのが、FAP-3の一番気に入っているところです。」


他のソフトとの連携でより便利に


  • FAP-3と連携して断面計算が行える『MED-3』というソフトがありますが、2014年4月より集成材を使った木造の接合部検定が可能となりました。MED-3に当社の住宅用接合金物である『テックワン・P3』と中規模木造対応接合金物である『テックワン・P3プラス』の接合部耐力が組み込まれます。これにより集成材と接合金物を用いたトラス、方杖フレームやブレース構面などの“解析→断面算定→接合部検定”をFAP-3MED-3を連携させることで、ほぼ一貫構造計算ソフトのように検討書の作成まで可能となります。
     例えば、集会所やデイサービス・センターのような一部だけスパンの大きな部屋があるが、そのほかは木造住宅に近いような建物の場合、全体の計算は在来木造の構造計算ソフト『HOUSE-ST1』で行い、トラスの検討はFAP-3MED-3を連携させて検討書を作成するといった活用の仕方をすることで、今まで難しかった非住宅木造の設計実務がより効率的に行えると思います。」



  • 「簡単操作」で複雑な骨組みの弾性応力解析を実現
  • 複雑な骨組みの弾性応力解析
    FAP-3は“使いやすさ”を重視し、必要最小限の操作で、正確な入力と計算結果の確認が簡単に行えることを目指して開発。入力ミスの修正ガイド機能や他のプログラムとの連携など、優れた機能を多数搭載し、平面フレームをはじめ、立体トラスや立体フレームなど、線材(部材)と平面板要素で構成された任意形状構造物の弾性応力解析、固有値解析、偏心率・剛性率の計算がスピーディーに行えます。複雑な形状をした構造物の場合にも入力しやすく、力の流れの確認にパワーを発揮します。また、3次元ソリッドモデルで架構形状や解析結果の表示ができ、部材配置の確認や応力状態の確認が容易に行えます。

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