耐震診断計算から補強設計までをカバー
DOC-3次診断は、耐震診断基準に準拠した既存RC/SRC造建物の3次耐震診断のほか、種々の耐震診断基準に対応した計算を行います。S造建物は官庁施設の総合耐震診断基準により行います。耐震補強部材を入力して補強後の診断計算を行うこともできます。
適用範囲、入力データおよびメニューはBUS-5(RC/SRC/S造建物の一貫構造計算)と共通で、構造計算から耐震診断までひとつのデータで計算することができます。BUS-5と連動しない単独使用の場合も、建物重量、長期軸力、地震時変動軸力、偏心率、剛重比、保有水平耐力などの自動計算機能を備えています。
2001年版RC診断基準((財)日本建築防災協会)、2009年版SRC診断基準((財)日本建築防災協会)、官庁施設の総合耐震診断基準、告示診断に準拠しています。
建物形状
スパン数(X、Y方向共90)、15階(*1)、30,000節点までのRC/SRC/S造建物とこれらが層ごとに混在する建物を扱います。
互いに直交するX、Y方向フレームで構成される建物を基本としますが、傾斜フレーム、中折れフレームなどのある建物も扱います。(図1)(*2)

取り扱う建物形状の例
平面内で傾斜する床組み、雑壁の傾斜も扱います。
3次小ばりや、片持スラブ内の小ばりが配置できます。
コンクリート強度や鋼材種別は層、方向、部材別に指定(鉄骨は部材の部位別に指定できます)できるため、増築による同一階での材種の違いにも対応できます。
鉄筋は3種類(太物2種類、細物1種類)使用できます。
柱のコンクリート部分の断面は長方形、円形を扱います。鉄骨部分はロール材または組立材のH形、十字形、L形、T形断面を扱います。鉄骨ウェブ形状が非充腹の断面も扱います。
*1:高さが45mを超える建物も計算できますが、計算結果は準拠基準の適用範囲外(参考値)となります。
*2:フレームの傾斜が15°を超える場合はメッセージを表示します。
データ入力
建物概要
データ入力はマウス操作により伏図、架構図上で入力を行う対話形式の入力方法とテキスト形式による一括入力が行えます。
建物形状や部材の配置情報はスケールに忠実な伏図または架構図で表示でき、床組、壁開口などの確認も容易です。
単位系は、SI単位系と従来単位系の選択ができます。
形鋼の断面寸法データベースが使用できます。
ユーザーデータベース機能により、部材断面形状、計算条件などは登録したものから簡単に呼び出しすることができます。
あらかじめ入力した仕上げ名称を入力しておくと仕上げ重量の入力ができ、仕上げ重量一覧表を出力できます。
壁開口が複数ある場合、それぞれの開口を開口周比の計算に考慮するかどうかの指定ができます。また、開口周比計算時の開口は包絡または面積和の指定ができます。
総合耐震診断判定表の建物概要などは入力データとして保存できます。
※各画像をクリックすると拡大表示されます。
準備計算
建物形状、部材寸法、積載荷重、仕上重量などから柱軸力、はりCM0Q、土圧による柱のCM0Q、片持ばりのモーメント、層ごとの重量計算などを行います。
保有水平耐力計算
つぎのいずれかの解析モデルを選ぶことができます。
@立体解析
立体解析では柱や壁端部に2方向のMSモデルを採用しています。
不整形な建物の任意方向の保有水平耐力も正確に求めることができ、2軸応力を受ける柱耐力のM-N関係も正確に表現できます。剛域と危険断面位置を個々に指定することで正確な剛性評価ができます。また、直交フレームの拘束効果も自動的に考慮します。床の回転変位の拘束(並進モデル)もできます。
A擬似立体解析
擬似立体解析は指定により直交フレームの拘束効果も考慮できます。柱や壁端部に1方向MSモデルを採用するか、各種規基準式により求めたM-N曲線により柱・壁の曲げ耐力を求めるMNモデルを採用するかを選択できます。床の回転変位の拘束(並進モデル)もできます。
B平面フレーム解析
平面フレーム解析は1フレームずつ単独に解く方法で、柱・壁にはMSモデルまたはMNモデルの指定ができます。
C節点振り分け法
柱はり架構は節点振り分け法、壁は仮想仕事法で計算します。
整形な建物に利用できる手計算レベルの解析方法です。
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| 保有水平耐力計算条件 | 解析条件等 |
耐震診断計算
柱、耐震壁、雑壁などの鉛直部材ごとの終局強度、破壊タイプと強度指標C、靭性指標F、保有性能基本指標E0、形状指標SD、経年指標T、構造耐震指標ISの各指標を自動計算し出力します。SRC造では振動特性係数Rtも自動計算します。
診断表はFu´値に対応したIS値と第2種構造要素の候補となる柱の集計を出力しますので、結果の判断が柔軟にできます。
診断に考慮しない柱、壁部材を指定によりゾーニングして特定部分の耐力評価を行うこともできます。

ゾーニング例

部分地下のある建物の例
構造耐震判定指標算定用項目
外力分布の直接入力ができます。
当該階から最上階までの建物総重量ΣWiの直接入力ができ、下階で平面形状が異なる場合の建物重量の入力に使用できます。
偏心率、剛重比の計算は診断基準と精算法を指定できます。
雑壁耐力に軸力を考慮できます。
雑壁の平均せん断応力度τの上限を設定できます。
SRC内蔵ブレースとして、X形、K形が使用できます。
耐震判定基本指標ESの直接入力ができます。地域や建物によってES値を変えたい場合にも対応できます。
壁のせん断伝達能力を計算し第2種構造要素の判定を行います。また、柱残存軸耐力、柱軸支持能力、はりせん断力伝達能力、壁せん断力伝達能力の直接入力もできます。
指定により(社)建築研究振興協会の耐震診断マニュアルに対応したつぎの計算を行います。
@コンクリート強度が13.5N/mm2未満の場合、Qsuに対する低減係数krを自動計算します。
Aそで壁付柱の耐力計算は、非対称断面を指定により対称断面に置換して考慮することができます。

非対称そで壁付柱の置換
B直交壁の効果を考慮して柱のせん断耐力を計算することができます。

直交壁有効範囲の考慮
Cそで壁付柱のせん断強度計算に用いるシアスパン比の下限値を0.6とすることができます。
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耐震改修設計指針に準拠した補強設計
耐震診断の結果、耐震安全性が充分ではないと判断された建物の耐震性能を改善するために行われる補強設計にも使うことができます。ブレースや壁の増設、柱補強(増し打、鋼板補強、炭素繊維補強)やそで壁補強などの補強部材が配置でき、これらの材質も既存部材とは別に指定できます。補強部材の接合部も検討できます。

計算結果

グラフィック形式出力

CT-F関係グラフ

診断破壊モード図(フレーム図)
伏図や軸組図など、図や表を中心としたグラフィック形式出力により、計算結果の確認が容易です。また、各種の出力結果はクリップボード経由でExcelやWordに転送し利用することができます。
C-F図やCT-F図の出力により、建物の耐震性能の確認が容易にできます。必要C-F曲線の表示も行います。画面のほか、計算書にも出力します。画面では、グラフの表示色、線種の変更ができます。
診断破壊モード図では、破壊形式、F値、Quを伏図やフレーム図で表示しますので、計算結果の確認が容易です。画面のほか、計算書にも出力します。
部材破壊形式記号は既定値の他に直接入力による設定もできます。
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