DOC-Sは、S造のビル、屋内体育館、工場など幅広い建物の耐震診断から補強設計までサポートする構造計算ソフトです。
また、S造とRC/SRC造を層ごとに混合する建物も同時に保有水平耐力計算を行い、建物全体の耐震診断結果を一括出力することができます(ただし、RC/SRC部分の靭性指標等を直接入力する必要があります)。
単独で使用する場合も、建物重量、長期軸力、地震時変動軸力、剛性率、偏心率、保有水平耐力など必要な計算は自動計算します。
取り扱う建物形状

取り扱う建物形状の例(体育館)
スパン数(X、Y方向共90)、15階、30,000節点までのS造建物で、RC/SRC造が層ごとに混在する建物も扱います。
※建物高さ45mを超える建物も計算できますが計算結果は準拠基準の適用範囲外(参考値)となります。
互いに直交するX、Y方向フレームで構成される建物を基本としますが、傾斜フレーム、中折れフレームのある不整形な建物も扱います。
※15°をこえる場合はWメッセージが出ます。
![]() 取り扱う建物形状 |
![]() 取り扱う建物形状の例(ビルタイプ) |
材料・部材形状
部材断面形状
増設部材・補強部材
接合部形状
はりや柱の仕口部には溶接接合、継手部にはボルト接合、ブレースにはガセット形式とブラケット形式が対応できます。
※ブラケット形式はピン接合としてモデル化されます。
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| はりの継手部、仕口部の例 | ブレース接合部の例 | |
基礎形状
※布・べた基礎は除きます。
使用材料
コンクリート強度や鋼材種別は層、方向、部材の部位別に指定できるため、増築による同一階での材種の違いにも対応できます。
| 使用できる材質一覧 | ||
|---|---|---|
| コンクリート | 普通コンクリート(FC≦60N/mu)および1種,2種軽量コンクリートを扱います。 | |
| 鉄筋 | 材質 | 普通鉄筋 SR235、SR295、SD235、SD295、SD345、SD390、SD490が使用できます。 高強度せん断補強筋 RC造柱、はりのせん断補強筋としてKSS785、KW785(ストロングフープ,スミフープ,リバーボン785)、SBPD1275/1420(ウルボン)、UB785(ウルボン785)、SBPDN1275/1420(リバーボン1275)、SHD685(UHYフープ)が使用できます。 |
| 径 | 10[9]、13、16、19、22、25、29[28]、32、35、38、41mmまで使用できます。(SR材は32mmまでで[ ]内の数値はSR材の径) | |
| SRC造の鉄骨 | SS400、SS490、STK(STKR)400、STK(STKR)490、SM400、SM490、SM520、SN400、SN490が使用できます。断面形状として、はりはH形、柱はH形を組み合わせた十字形、T形、L形と箱形、角形鋼管、鋼管とし、箱形は鋼板組立、H形は鋼板組立と圧延H形鋼とします。 | |
| S造の鉄骨 | SS400、SS490、STK(STKR)400、STK(STKR)490、SM400、SM490、SM520、SN400、SN490、冷間成形角形鋼管(BCR295、BCP235、BCP325、BCP325T)、熱間成形角形鋼管(SHC400、SHC490、SHCK490、SHC275-EN、SHC-355-EN)、SUS304、SUS304N2A、SCS13A、SSC400が使用できます。断面形状として、はりはH形、溝形、角形鋼管、C形、柱はH形、箱形、角形鋼管、鋼管、C形とし、箱形は鋼板組立、H形は鋼板組立と圧延H形鋼とします。 | |
| S造の露出柱脚 | ハイベース(日立機材)、ベースパック(岡部梶A旭化成建材)、NCベース(日本鋳造)、ジャストベース(コトブキ技研工業)、ISベース(アイエスケー)が使用できます。 | |
| アンカーボルト | SS400、SS490、SNR400、SNR490、SD235、SD295、SD345、SD390、SD490、ABM400、AMB490(JSS建築構造用切削ねじアンカーボルト)、ABR400、ABR490(JSS建築構造用転造ねじアンカーボルト) | |
| ボルト接合 | 高力ボルト(F7T、F8T、F9T、F10T、F11T、10T-SUS)、中ボルト(SS400、SS490、SM400、SM520)、リベット(SV400) | |
| その他 | コンクリート、鉄筋、鉄骨について、上記以外の材質を使用する場合や、上記の材質でも異なる許容応力度を使用する場合は直接入力することができます。 | |
耐震診断計算
準備計算
重量計算
建物形状、部材寸法、積載荷重、仕上げ重量などから、柱軸力、はりCMoQ、土圧などによる柱のCMoQ、片持ちばりのモーメント、層ごとの重量計算をします。
剛性率、偏心率によってきまる係数Fesの算定
建物剛性に応じて剛性率や偏心率の計算を行い、Fesを算定します。また、フレーム面内はもちろん、フレーム面外にある場合でも剛性率や偏心率に雑壁の影響を考慮することができます。
保有水平耐力計算

荷重−変位図

応力図
壁のモデル化
壁は開口の大きさに応じて耐震壁または一般壁として扱います。耐震壁として扱う場合は壁エレメント置換となります。一般壁の場合は柱・はりの剛域や剛性増大率を考慮したフレーム置換とします。耐震壁判定方法は平成19年改正前告示と平成19年改正後告示の計算方法が選択できます。
豊富な解析モデル
以下の4つから選ぶことができます。
@立体解析
立体解析では柱や壁端部に2方向のMSモデルを採用しているため、不整形な建物の任意方向の保有水平耐力も正確に求めることができ、2軸応力を受ける柱耐力のM-N関係も正確に表現できます。また直交フレームの拘束効果も自動的に考慮します。床の回転変位を拘束(並進モデル)することもできます。
A擬似立体解析
擬似立体解析は指定により直交フレームの拘束効果も考慮できます。柱や壁端部に1方向MSモデルを採用するか、各規準式により求めたM-N曲線により柱・壁の曲げ耐力を求めるMNモデルを採用するかを選択できます。床の回転変位の拘束(並進モデル)もできます。
B平面フレーム解析
平面フレーム解析は1フレームずつ単独に解く方法で、柱・壁にはMSモデルまたはMNモデルの指定できます。
C節点振り分けモデル
柱はり架構は節点振り分け法、壁は仮想仕事法で計算します。整形な建物に利用できる手計算レベルの解析方法です。
部材耐力と保有耐力接合

危険断面位置でのMuの修正
部材耐力は、母材、継手部、端部の接合部耐力を考慮し図のようにして最小値を用います。また母材と接合部の耐力を比較し、保有耐力接合の計算も行います。継手部、端部の耐力はその形状を入力し自動計算できます。
柱はり接合部の曲げ耐力
柱はり接合部の曲げ耐力を自動計算します。また周辺部材から決まる曲げ耐力と比較し、下回る場合は周辺部材の材料強度を低減させることで、柱はり接合部耐力を考慮することができます。
屋根面ブレースの検討

屋根面ブレースの扱い体育館建物で屋根ブレースの耐力が不十分な場合は図に示すように屋根面ブレースの剛性と終局耐力を考慮して全体を解く方法か、最も耐力の小さいフレームを指定し平面フレームで解析し耐震診断を行うことができます。
杭基礎、独立基礎の基礎回転耐力
杭許容支持力、地盤の許容支持力度や基礎に働く軸力により基礎スラブ接地面の回転耐力を指定により自動計算します。また偏心基礎に対しても自動計算が可能です。
※立体解析時のみ有効です。機能が完成され次第公開予定。
S造耐震診断計算

靭性指標図

耐震性能判定
計算条件
建物形状を考慮してS診断指針または屋体基準を指定することができます。
部材の靭性指標
準拠する基準に応じて部材の靭性指標を計算します。指定によりS診断指針と屋体基準の最小値を計算することもできます。
節点の靭性指標
S診断指針の場合、取り付く部材の最小となるF値もしくは曲げ耐力による塑性変形性状を考慮したF値を計算することができます。屋体基準の場合は取り付く部材の最小となるF値となります。
階の靭性指標
S診断指針の場合、階の靭性指標を最小値もしくは保有水平耐力による重み付き平均値から計算することができます。また架構の節点の最小F値から計算方法を自動判別することができます。屋体基準の場合は終局時応力と崩壊状態を考慮した重み付き平均値となります。
耐震性能の判定
S造階の場合、目標耐震性能に対する判定を行います。診断結果として倒壊または崩壊する危険性がある場合、補強設計での目安のために、建物重量・階の靭性指標が大きく変化しないと仮定した概算必要補強耐力を算出します。RC/SRC階は、Fu値、SD値、T値と直接入力することでS造の判定表に併記することができます。累積強度指標Ctu値は保有水平耐力計算結果より算出します。
入出力

軸組図
データは、ダイアログや図形によるインタラクティブな入力と、テキスト形式による一括入力が行えます。
建物形状や部材の配置は、スケールに忠実な伏図または架構図で行い、入力しながら図面として確認できるため、ミスを防ぎやすく、床組みや壁開口位置、枠付き増設ブレースなどの確認も入力と同時に行えます。
図面上でデータ配置を行う場合に、配置対象データだけを表示・編集するなど、データ作成に便利な細かな設定ができます。また、部材を連続的に配置・削除できるため、効率的な入力が行えます。
豊富な出力の中から耐震性能判定する上で重要な項目を集めた概要書を出力することで短時間で結果の把握ができます。表と伏図/架構図を用いて計算結果をコンパクトで見やすく出力します。カラー表現もでき、計算結果の要点を容易に確認できます。
準拠基準
- (財)日本建築防災協会「耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針・同解説(1996)」
- 文部科学省「屋内運動場等の耐震性能診断基準(H18年版、H8年版)」
- (財)日本建築防災協会「2001年版RC診断基準」
- (財)日本建築防災協会「1997年版SRC診断基準」
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